2. Task Force の目的(木村)

タスクフォースは次の3つの目的を達成するために発足した。

これらの目的がどのようなイメージと実行プランのもとに設定されたかを以下にのべる。実行プランは以後約7ヶ月間のタスクフォース活動において概ねその通り実現された。

(1) 電子化を軸とした事務局業務体系の抜本的見直しとその再構築

まず事務局業務の実態を担当者からの聞き取りを通してなるべく細部まで把握する。それをベースに現状の問題点を明らかにし、改善すべき点や変更すべき点を課題として提起する。

電子化を前提とした事務局業務の大雑把なイメージは次のようなものであった。

学会は人・金・情報の3つが資産であり、それを適切かつ効率的に管理するのが事務局の役割である。従ってそれらを電子的に処理するためのデータベースの構築が事務局業務効率化の最大のポイントとなる。

これらの流れ事務局業務のなかで互いに錯綜した関連を持っており、関連をなるべくすっきりと整理して学会の業務体系を編成しなおすことが必要である。これらの3つの流れを担うデータを実時間オンラインですべての事務職員や会員がアクセスできる状態にすることが「開かれた学会」を実現するには必要である、ということがタスクフォースのメンバーの基本的な共通認識であった。この認識はすでに12年度の理事会から存在しており、 IT委員会が総務委員会のもとに発足していた。タスクフォースは IT委員会との緊密な連絡のもとにこの目的を達成していくことが望まれた。

業務の見なおしのプロセスについては 次章 でのべる。現在構築中のデータベースについては5章 で詳しく述べる。

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(2) 事務局職員の再配置

事務局長が不在であるという現状のもとで学会事務局の大局的な機能はほぼ麻痺状態にある、というのがタスクフォースメンバーに共通する基本的な認識であった。法制、渉外、会員サービスについては特にその傾向が強く、多くの不都合の事例が理事、会員から指摘された。そしてそれら指摘にもかかわらず改善されずに積み残されているものが多い。

IT 化の必要性にもかかわらず、それを担うスキルを持つ職員の決定的な不足がもたらすマイナスはすでにこれまで何度も指摘されており、その抜本的な解決に取り組むことが緊急の課題であった。たとえば学会のホームページは平成12年秋の時点で更新が2年近くストップしており、ホームページの内容は2年も前の「情報」がそのまま残され新しい情報は皆無であった。役員のリストも前々期のままであった。英文のホームページは存在せず国際化を標榜する学会としては誠にぶざまな状況であった。大所高所からのもっともらしい議論をする人は多く、委員会の数も多いのに肝心の学会活動を底辺で支えるために労を惜しまない気風が一部の部門支部を除いては欠如しており、それが事務局のある種の麻痺状態を生み出している。事務局の問題は従ってこれまでの理事会、執行部の問題でもあった。

タスクフォースはこのことを踏まえ、将来の事務局のイメージをはっきりと描いた上で長期的な展望をもって職員の教育や配置転換を計画していくことを目指した。この問題は(1)とも強く関連している。

また、次の事務局長の選任も急務の課題であり、これをどのような長期的な展望のもとにどのような評価基準で行うかもタスクフォースの検討事項であった。

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(3) 常勤職員の待遇の適正化

管理職にある常勤職員の待遇に関しては、適正を欠くのではないかという批判が底流として存在していた。事務局の新しい体制を構築する上でこの問題に正面から取り組み、必要ならば思いきった適正化を行うことを目指す。新体制の発足はそのための好機と捉えた。タスクフォースはこの問題に対して、実態の調査と必要に応じた新しい待遇の制度化を提案する権限を与えられた。タスクフォースのこの問題についての調査はタスクフォース活動の後半に行われたが、その結果現行制度が明らかに適正を欠く面をいくつか持っていることが判明した。これについてはその適正化の方法も含めて 6章 で詳しく述べる。

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