1. Task Force 発足の背景と経緯(木村)

社会の変化と技術の進歩に応じて、会員が学会に期待する学会の役割も変化しつつある。インターネット登場や科学ジャーナリズムの充実は技術情報の発信と受容の形態を大きく変えつつあり、そのなかで学会が科学技術情報にどのようにかかわっていくべきかが問われている。 IT 技術の進展は学会事務局における業務の合理化と会員サービスにたいする新しい大きな可能性をもたらし、学会事務局のありかたを示す新しいモデルの構築が期待されている。また、国の科学技術戦略のなかで科学技術の研究推進において学会の果たすべき役割が重視されようとしており、学会がこれまで以上に他学会と交流が増えそれに伴う事務局の企画渉外能力の向上が期待される。いずれにせよ、学会が科学技術の開発推進において果たす役割は将来これまで以上に大きなものとなり、それに対応して学会を支える事務局はこれまで以上に高い事務処理能力を持つことが必要である。

SICE 事務局は長年事務局のリーダとして尽力された斎藤保孝顧問の退職が目前に迫り、それに対応する事務局の新しい体制の構築整備が焦眉の課題となっている。新しい体制を構築するに際しては上に述べた新しい学会の存在意義と役割を踏まえた将来の学会事務局のあるべき姿を先取りした、学会事務局の理想的なモデルともいうべき形態を目指して事務局の体制整備を進めていくことが望ましい。

以上のような共通認識のもとで、平成13年度理事会の執行部は、「事務局新体制整備のためのタスクフォース」を会長の諮問機関として発足させることを決定した。事務局問題は従来の SICE のやり方に従えば総務委員会(総務担当理事2名、財務担当理事2名)に任せるべきであるが、体制整備は将来の事務局のあるべき姿に対する一貫したビジョンとポリシーのもとに行う必要があること、日常業務を超えて実行されるのでそれなりの権限が付与されないと実効が上がらないことなどの理由でこのようなタスクフォース形式を取った。

タスクフォースの発足が正式に認められたのは平成13年4月27日の理事会である。タスクフォースのメンバーは次の通りである。

木村英紀(主査:副会長)
井上雄一郎(副査:副会長)
仲田隆一(委員:総務理事)
阿部直人(委員:総務理事)
風戸裕彦(委員:財務理事、後半より参加)
本多 敏(委員:前期総務理事)
並木正美(委員:SICE 事務次長)
加賀斎天(オブザ―バ: SICE 嘱託)

タスクフォースは会長と連絡を密にして、必要があれば会長がタスクフォースの提案を理事会に諮ること、会期は平成13年度の理事会に連結すること、 IT 関連で予算措置が必要になれば理事会の承認のもとに IT基金から支出されること、が理事会で決定された。

前へ    目次へ   次へ