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お知らせ |
会告 : 2002年度計測自動制御学会学会賞の贈呈
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2002年度計測自動制御学会学会賞贈呈のため,井上雄一郎副会長を委員長とする学会賞選考委員会において慎重に選考の結果,下記論文賞4件,技術賞4件,著述賞2件,教育貢献賞1件が推薦され,理事会の決定を経て8月6日,SICE
Annual Conference 2002 会場(グランキューブ大阪 (大阪国際会議場))において,贈呈式を行い,受賞者に賞状・メダル・賞金が贈呈された.
[論文賞]4件
(論文賞)
○液体用超音波微小流量計のセンサ配置と流量特性
(計測自動制御学会論文集Vol.36, No.12で発表)
計量研究所・石川博朗君,高本正樹君
カイジョー・清水和義君
筑波大学・文字秀明君,松井剛一君
(論文賞・武田賞)
○“重ね合わせ原理”に基づく非線形制御系の最適化
(計測自動制御学会論文集Vol.37, No.3で発表)
バブコック日立・伊丹哲郎君
(論文賞)
○フーリエ変換を利用した繰返し制御によるブラシレスDCモータのトルク振動抑制制御
(計測自動制御学会論文集Vol.36, No.5で発表)
三重大学・服部知美君,石田宗秋君,堀 孝正君
(論文賞・友田賞)
○仮想キャッチング作業における人間の作業準備インピーダンスの解析
(計測自動制御学会論文集Vol.37, No.8で発表)
広島大学・辻 敏夫君,野口裕史君,金子 真君
[技術賞]4件
(技術賞・蓮沼賞)
○連続光波の相関制御法によるcmオーダの空間分解能を有するブリルアン散乱方式光ファイバ分布型歪センシングシステム
(IEICE Trans.,ほかで発表)
東京大学・保立和夫君,長谷川健美君,田中正人君
○Batch Noise Adaptive Roll Reducible Autopilot
(ISA/JEMIMA/SICE Joint Technical Conferenceで発表)
横河電子機器・松田真司君
東京商船大学・大津皓平君
横河電子機器・千種成友君,小原裕喜君
○バックドライバビリティを利用したパラレルロボットの高速柔軟作業制御システム
(計測自動制御学会論文集Vol.37, No.9で発表)
東北大学・金 斗亨君,内山 勝君
○センサーレス&トランスミッションレス電気自動車の研究開発
(計測と制御Vol.40, No.11,ほかで発表)
神奈川大学・新中新二君,竹内 茂君
[著述賞]2件
○OPCアプリケーション入門
OPC協議会(編著)
山武・鄭 立君,日立製作所・寺岡義則君
インテルーション・北山 勝君
オムロンソフトウェア・烏山幸嗣君,大西輝生君(共著)
○Control Theory of Non-Linear Mechanical Systems: A Passivity-Based and Circuit Theoretical Approach
立命館大学・有本 卓君(著)
[新製品開発賞]
該当なし
[教育貢献賞]1件
○レスキューロボットコンテスト等を通じての活動
京都大学・大須賀公一君
受賞者略歴および受賞論文概要
いしかわ ひろあき
石 川 博 朗 君 (正会員)
2001年筑波大学大学院博士課程工学研究科構造工学専攻修了(工学博士).94年(株)カイジョー入社.超音波流量計の開発に従事.2001年油空圧機器技術振興財団学術論文顕彰.現在,(株)カイジョー研究開発本部コア技術チームに所属.
たかもと まさき
高 本 正 樹 君 (正会員)
1986年ロンドン大学インペリアルカレッジPh.Dコース修了.75年通商産業省工業技術院計量研究所入所,現在,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準研究部門流量計測科長.流量・流速の標準と計測技術の研究に従事.日本機械学会,日本流体力学会などの会員(工学博士).
しみず かずよし
清 水 和 義 君 (正会員)
1986年明星大学理工学部電気工学科卒業.同年(株)カイジョー入社.超音波流量計の設計・開発に従事.93年から95年の2年間,通商産業省工業技術院計量研究所力学部流体計測研究室へ派遣.現在,計測制御システム事業部工業計測技術Gr開発チームのチームマネージャー.
もんじ ひであき
文 字 秀 明 君 (正会員)
1989年筑波大学大学院博士課程工学研究科修了(工学博士).同年筑波大学構造工学系に勤務.以後,混相流工学,特に分散混相流の流動特性に関する研究に従事.96年日本混相流学会奨励賞,2001年油空圧機器技術振興財団学術論文顕彰.現在,筑波大学機能工学系に所属.日本混相流学会などの会員.
まつい ごういち
松 井 剛 一 君 (正会員)
1969年大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻博士課程退学,同年大阪大学基礎工学部助手,現在筑波大学機能工学系教授.84年アメリカ原子力学会最優秀論文賞受賞,91年混相流国際会議(第1回)議長,97年日本学術会議メカニクス・構造研究連絡委員会委員,98年日本混相流学会会長.分散混相流の流動/波動特性,熱流体の可視化画像処理計測などの研究に従事,日本実験力学会などの会員(工学博士).
受賞論文「液体用超音波微小流量計のセンサ配置と流量特性」
本論文は,微小な液体流量の計測を半導体製造プロセスや医療分野で実用上行うための要求条件(0.5mm程度の測定部管路径,1mL/minの流量)を設計目標として,解決すべき課題の整理,現象の考察および試作実験を行うことにより,新超音波流量計開発の可能性を示したものである.解決すべき重要な課題は,誤差要因となるゼロ点の安定性と測定分解能および計測の再現性であることから,まず,ゼロ点の安定性と超音波伝播時間の検出分解能について調べ,(円板状小型振動子)センサの個体差をなくすために1個の受信センサを取付けたループ状の測定部構造とセンサ配置を新たに考案し,かつ相関法とゼロクロス法の比較実験の結果,時間分解能の優れた相関法を採用することとした.ついで,試作した流量計(管路内径0.53mm)を用いて,再現性と精度について調べ,0.2mL/minを下限とする微小流量が高精度で安定して測定できることを示した.得られた実験結果をまとめることにより,実用上の要請を満たす新しい液体用超音波微小流量計の開発が可能であることを示した.
いたみ てつろう
伊 丹 哲 郎 君 (正会員)
1982年バブコック日立(株)入社.呉工場等にて構造設計,検査機器開発等の業務を経て89年から呉研究所勤務.現在は燃料電池システムの研究開発に従事.98年よりエミッション制御に関連して非線形制御研究に着手,以降重ね合わせ原理に基づくフィードバック最適化とその量子系への展開に興味を持ち続けている.モットーは「制御愛」,ここで.システム制御情報学会,日本物理学会の会員.
受賞論文「“重ね合わせ原理”に基づく非線形制御系の最適化」
非線形最適フィードバック制御の線形理論を提案する.状態空間の経路に「線形波動方程式」に従う「重ね合わせ可能な複素数の波」を随伴し,波の強さを新制御定数HRで表現する.最適経路がそのゼロ極限HR→0において得られるとする.構想実現のために非線形最適制御系を拘束力学系として定式化しそのダイナミクスを「ディラック括弧式」で与える.カノニカル変数に1対1対応しディラック括弧式の代数構造を満足する「線形演算子」を定義する.線形演算子から「ハミルトニアン演算子」Hを構成し,これを用いて複素数値の「波動関数」Ψに対する線形波動方程式 を設定する.その実数部射影を入力アフィンの非線形系に対して計算すると,ハミルトン・ヤコビ方程式に波の作用に関わる項を追加した「一般化されたハミルトン・ヤコビ方程式」を得る.フィードバック操作量は波動関数Ψとその偏微分係数 で表現される.すなわち波の作用を十分小さく設定すれば,波動関数を使って非線形最適フィードバック制御を近似実現できる.
はっとり さとみ
服 部 知 美 君 (正会員)
2002年三重大学大学院工学研究科システム工学専攻博士後期課程修了.同期電動機の脈動トルク抑制に関する研究に従事.同年4月静岡理工科大学理工学部(電子工学科)助手,現在に至る.博士(工学).電気学会優秀論文発表賞(2000)受賞.電気学会,パワーエレクトロニクス研究会会員.
いしだ むねあき
石 田 宗 秋 君(正会員)
1980年名古屋大学大学院工学研究科電気工学・電気工学第2および電子工学専攻博士後期課程終了,電流形インバータ駆動誘導電動機系の安定性に関する研究に従事.同年4月名古屋大学工学部(電気系学科)助手,誘導電動機速度制御系および半導体電力変換装置に関する研究に従事.87年三重大学工学部(電気電子工学科)助教授,96年同教授,制御工学,パワーエレクトロニクスに関する研究に従事,現在に至る.工学博士.電気学会論文賞(93,2001),電気学会著作賞(99)受賞.IEEE,電気学会,日本機械学会,パワーエレクトロニクス研究会会員.
ほり たかまさ
堀 孝 正 君 (正会員)
1961年大阪大学工学部電気工学科卒業.同年4月(株)日立製作所入社,産業用電動機制御に関する研究に従事.87年三重大学工学部(電気電子工学科)教授,電力変換器,電動機制御,モーションコントロールに関する研究に従事.2002年愛知工科大学工学部(電子情報工学科)教授,現在に至る.工学博士.IEEE/IES論文賞(83),電気学会業績賞(94),電気学会論文賞(93,2001),電気学会著作賞(99),IEEE/IES業績賞(99),IEEE Third Millennium Medal(2000)受賞.本会フェロー(94),IEEEフェロー(92).IEEE,電気学会,システム制御情報学会,パワーエレクトロニクス研究会の会員.
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