SICE 社団法人 計測自動制御学会
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 会告:2008年度計測自動制御学会学術奨励賞の贈呈
学術奨励賞 研究奨励賞10君,学術奨励賞 技術奨励賞4君に贈呈された.

○学術奨励賞 研究奨励賞

ながおか たかし
永岡  隆 君(正会員)

 工学博士,1977年神奈川県生.2000年早稲田大学理工学部電子・情報通信学科卒業,05年早稲田大学大学院理工学研究科生命理工学専攻博士後期課程修了,博士(工学)取得.03年より早稲田大学理工学部助手,東京女子医科大学非常勤講師.06年より静岡県立静岡がんセンター研究所診断技術開発研究部研究員(現職).生体計測を専門に,現在は光計測によるがん診断装置の開発に従事.

受賞論文「ハイパースペクトルカメラを用いた皮膚血行動態の観察」
〈第8回システムインテグレーション部門講演会(SI2007)で発表〉
 われわれはこれまで任意の位置情報と波長情報を同時に取得できる技術(ハイパースペクトラルイメージング技術)を用いた観察装置(ハイパースペクトルカメラ)を開発している.本研究ではメラノーマの早期診断システム開発に向け,拡散反射スペクトルからメラニン量を正確に定量するスペクトル解析手法の開発を推進.モンゴロイド由来3D培養皮膚モデルを用いて検証実験を行った.培養皮膚モデルは薄く,下層の白色基準板の影響を受ける.そこでKubelka-Munk則より多層モデルにおける各層の反射率の理論式を導出し,実験値から白色基準板の影響を除去したスペクトルを得ることに成功した.メラニンの精製を抑制するコウジ酸の添加量を変化させることでメラニン生成量が異なる培養皮膚モデルを作成し,化学的に定量したメラニン量とスペクトルを比較し,スペクトルから各種メラニン量が推定可能であることがわかった.


たかき たけし
高木  健 君(正会員)

 1977年12月15日生.2006年東京工業大学大学院総合理工学研究科メカノマイクロ工学専攻博士後期課程修了,博士(工学),06年同大学特別研究員,07年広島大学大学院工学研究科特任助教,08年同大学助教,現在に至る.機能的な形状に関する研究に従事.

受賞論文「把持装置のためのモアレ縞を用いた力可視化メカニズム―文字の表示と画像処理による力の大きさの算出―」
〈第8回システムインテグレーション部門講演会(SI2007)で発表〉
 ロボットの遠隔操作,内視鏡手術用器具の操作は,操作している器具や装置が作業対象にどの程度の力を加えているか,人間が直感的に知ることは難しい.力センサ等を装備し,力覚情報を人間に伝えるシステムがあればこの問題は緩和される.そこで著者らは,これまでに電気的なセンサやアンプ等を一切用いることなく,力によって生じる変位をモアレ縞により視覚的に拡大し力の大きさを縞模様により可視化するデバイスを提案してきた.本研究では縞模様のみではなく,モアレ縞を用い文字を表示する方法を提案した.また,ロボットの遠隔操作や腹腔鏡下手術はカメラの画像を見ながら操作している.画像において重要な情報を持たない所に本デバイスが配置されていれば,同様のカメラでありながら,より多くの情報を操作者に伝えることができる.提案しているデバイスをグリッパに実装し,把持を行っている画像より力の大きさを算出できることも示した.


しみず ひかる
清水  光 君(学生会員)

 1983年11月8日生.2007年東京大学工学部計数工学科卒業.09年東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻修士課程修了.在学中,マルチエージェントシステムの階層モデリングとその安定性解析の研究に従事.

受賞論文「階層化マルチエージェントシステムにおける階層間接続行列の特性と安定度」
〈第8回制御部門大会で発表〉
 ネットワーク技術の進歩により,工学が扱う対象は大規模・複雑化してきており,このようなシステムを解析・設計する統一的な手法の確立が望まれている.本研究では,階層化マルチエージェントシステムを対象として,自己相似性を持つ階層化システムの比較的一般的な表現形式を与え,その階層間を接続する行列の性質に着目した安定度解析を行っている.特に,階層間の接続を表わす行列の性質として,これまで検討されてこなかった接続行列の低ランク性に焦点を当て,階層間の情報伝達における情報縮約の重要性を指摘している.具体的には,巡回型の情報取得が可能な自己相似構造を持つ合意形成問題を対象として,階層間接続行列のランクが1の場合に対して,固有値解析を行うことにより,収束率と減衰率の2つの指標の観点から合意形成の性能を理論的に評価している.結果として,情報縮約の機能を持たないフルランク階層間接続と比較して,低ランク性を持つ階層間接続の優位性を示し,シミュレーションによりそれを検証している.


すずき まさやす
鈴木 雅康 君(学生会員)

 1982年9月22日生.2005年名古屋大学工学部機械航空工学科卒業.07年同大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻博士前期課程修了.同年同後期課程に進学,現在在籍中.カオス力学系の制御に関する研究に従事.電子情報通信学会学生会員.

受賞論文「理想乱流の制御に関する研究:Time-delayed Chua回路における定常解の安定化」
〈第37回制御理論シンポジウムで発表〉
 電子回路,音響,無線などの分布定数系の内部状態は,時として時間的にも空間的にも複雑な様相を示すことがある.そのような実世界の乱流に対する数学的シナリオの理解を助けるために,理想乱流という概念がSharkovskyらによって導入された.実際,理想乱流が発生する系では,状態構造を限りなく細分化し,場合によっては確率的な現象さえ引き起こすカスケード過程を観察できる.本報告では,偏微分方程式の境界値問題として記述される理想乱流発生系に対して定常解の安定化制御則を設計し,Time-delayed Chua回路と呼ばれる物理モデルに対する制御則の適用例を示す.提案手法は,系の動特性の解析をd'Alembertの解法によって有限次元の差分方程式の解析に帰着できるという事実に基づいており,境界入力のみによって定常解の安定化が達成できる.


さかい よしゆき
坂井 善行 君(学生会員)

 1985年01月19日生.2007年東北大学工学部電気通信工学科卒業.同年,東北大学大学院工学研究科電気通信工学専攻博士前期課程進学.現在に至る.ロボティクスに関する研究に従事.2008年第245回SICE東北支部研究集会優秀発表奨励賞受賞.

受賞論文「周波数と位相の調整が可能なマルチリズミックオシレータモデル−一次元ホッピングロボットの跳躍運動学習への適用−」
〈東北支部第245回研究集会で発表〉
 本研究では,運動安定化機能と運動探索機能という2つの異なる時間スケールで行われる機能が共存するCPG(Central Pattern Generator)モデルを設計し,それによるオンライン学習の実現を目的とする.この目的のため,CPGの構成要素であるオシレータモデルからの再検討を試みた.特に,生物学的知見よりオシレータの持つ機能として位相調整のみならず周波数調整にも着目し,この両者を実現するために多数の異なる周波数をもつ振動子で構成されるマルチリズミックオシレータを提案した.本論文では具体的事例として,一次元ホッピングロボットの跳躍運動学習を採り上げ,提案するモデルの妥当性を検証した.シミュレーション実験の結果,本オシレータモデルのもつ周波数調整機能による運動探索および位相調整による運動安定化の実現が確認されたので報告する.このような運動安定化機能と運動探索機能の両者の実現は,本モデルによりオンライン学習が可能なことを示唆する結果である.


やまぐち じゅん
山口  潤 君(正会員)

 2007年大阪府立大学工学部電気電子システム工学科卒業.09年京都大学大学院工学研究科電気工学専攻修士課程修了.同年(株)東芝研究開発センター入所,現在に至る.

受賞論文「離散時間系の多目的H2/H∞制御:リフティングとLMIに基づく周期時変コントローラの設計」
〈第37回制御理論シンポジウムで発表〉
 本論文では,離散時間線形時不変系に対する多目的H2/H∞制御器設計問題について考察を行った.この問題に対しては,拡張型LMIに基づく有効な解法が知られているが,この手法ではH2ノルム仕様,H∞ノルム仕様を表わすLMIを連立する際に,変数の一部を共通なものに制約する必要があるため,保守的な設計となる.この保守性の低減を目的として,本論文では時不変の制御対象を仮想的に周期系とみなして離散時間リフティングを施し,得られた仮想的な(時不変)制御対象に対して,拡張型LMIに基づく手法を適用して多目的制御器を設計する手法を提案した.このとき設計される制御器は,本来の制御対象に対しては周期時変なものとなる.本研究ではこの設計手法で用いるLMIの特別な構造に着目し,仮想的な周期を大きくして設計するほど保守性を低減できる(保守的とはならない)ことを理論的に証明した.さらに数値例を通して提案手法の有効性を実証した.


わたなべ わたる
渡邉  航 君(学生会員)

 1984年2月22日生.2006年名古屋大学工学部電気・情報工学科卒業.08年名古屋大学大学院工学研究科計算理工学専攻博士前期課程修了.同年東北大学大学院工学研究科電気・通信工学専攻博士後期課程入学,現在に至る.ロボティクスに関する研究に従事.

受賞論文「身体部位間の力学的長距離相関を活用した学習の高効率化―2次元ヘビ型ロボットを用いた事例研究―」
〈第20回自律分散システムシンポジウムで発表〉
 近年,行動主体に知能を発現させるには,振る舞い生成のすべてを制御系に委ねるのではなく,機構系にもその一翼を担わせるべきとの認識が広がりつつある.本研究では,知能発現のための共通原理解明に向けた初動段階として,行動主体の制御系と機構系の適切な関係について,ロコモーション学習の観点から解析的かつ構成論的に議論することを第一義的な目的とする.この目的のため,二次元ヘビ型ロボットの自律分散学習問題を事例として採り上げ,学習の収束性(迅速性・安定性)から両者の関係を議論する.本論文では,学習則の収束性を数理的に解析することにより,その収束性が身体部位間の情報のやりとり(制御系)に関する設計と,力学的長距離相関(機構系)に関する設計とのカップリングによって決定されることを示した.そして数理的解析をもとに,身体部位間の力学的長距離相関を効果的に生成可能な多関節筋の概念を導入した結果,学習のパフォーマンスが大幅に改善されることが確認された.


おじま ようすけ
小嶋 洋介 君(正会員)

 1984年10月12日生.2007年茨城大学工学部システム工学科(現:知能システム工学科)卒業.同年東北大学大学大学院工学研究科バイオロボティクス専攻博士課程前期入学.09年同大学大学院工学研究科バイオロボティクス専攻博士課程前期卒業.同年4月本田技研工業(株)入社,現在に至る.在学中は,パッシブ型物体搬送ロボットに関する研究に従事.日本ロボット学会等の会員.

受賞論文「複数のパッシブ型搬送ロボットによる物体の可変運動特性制御」
〈第8回システムインテグレーション部門講演会(SI2007)で発表〉
 本研究では,人間とパッシブ型物体搬送ロボットの協調において大型物体を搬送することを考え,複数のパッシブ型物体搬送ロボットの運動制御アルゴリズムについて考える.
 大型物体を1人で操るためには,その操作力の加え方が難しく,操作性が悪化することが知られている.そこで,本論文では大型物体を複数のパッシブ型物体搬送ロボットと人間との協調により搬送する際,操作性を向上させる手法として,搬送物体の運動特性を変化させる物体の可変運動特性制御系を提案する.物体の運動特性を任意に変化させることが可能であれば,さまざまな作業環境や目的,搬送者の特性など適した搬送システムの実現が期待できる.提案した手法を複数のパッシブ型物体搬送ロボットに適用し,人間との協調による物体の搬送実験を通して,その有効性を確認した.


せきもと まさひろ
関本 昌紘 君(正会員)

 1980年3月13日生.2007年立命館大学大学院理工学研究科博士後期課程修了.同年立命館大学総合理工学研究機構ポストドクトラルフェロー,現在に至る.2008年5〜6月ジョージア工科大学客員研究員.ロボティクス研究,おもに,冗長多関節ロボットの動的な運動制御に関する研究に従事.

受賞論文「歩行遊脚期における慣性作用と運動生成」
〈第8回システムインテグレーション部門講演会(SI2007)で発表〉
 多くのロボットや生物は多関節構造からなり,その運動は慣性由来の非線形な運動方程式に支配される.質点系の運動は,外力が働かない限り直線上を動くため,ユークリッド距離で特徴付けられる一方,多関節系の運動は,リンク間の相互作用力により,複雑な振る舞いを示す.これが,多関節系の運動を捉えるうえでの難しさとなっている.本研究では,ロボットの姿勢集合が,慣性行列に基づく計量を導入することにより,リーマン多様体と見なせることに基づき,その多様体における2点間の最短長さ(リーマン距離)に着目した.この距離を満たす曲線(測地線)は,力学的には,外力の働かない,純粋な多関節系の慣性,遠心,コリオリ力による運動を示す.そこで,リーマン距離の観点から,質量,長さに関して人間サイズのモデルによる歩行遊脚期の数値シミュレーションを行ったところ,この慣性誘発運動の中で,遊脚の膝の折れが自然に現れることを確認した.この結果より,多関節系の運動を捉えるためにリーマン距離が有効なツールとなりうること,また,人間の運動における慣性作用の活用の可能性を示唆した.


○学術奨励賞 技術奨励賞

よねかわ まさし
米川 雅士 君(学生会員)

 1974年11月13日生.2000年東京工科大学大学院工学研究科システム電子工学専攻修士課程修了.00〜06年キーウェアソリューションズ(株)勤務.06年慶應義塾大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻博士後期課程入学,現在に至る.

受賞論文「搬送波を利用した新測位方法の提案」
<第25回センシングフォーラム 計測部門大会で発表>
 衛星を利用した三次元測位システムは信頼性と利便性の高さからさまざまなアプリケーションに利用さるようになった.測位技術は一般利用が進むにつれて多くの利用要求が出てきたが,一般的な利用を考えた場合に真新しい利用用途が提案された報告はない.それは測位方法に制限があり利用しにくいことが大きな要因となっている.よって,本稿では多くの利用要求である「高精度」「単独」「リアルタイム」「小型受信機利用」に応えるための新しい方法について提案する.本稿の提案手法は大きく分けて2段階ある.1段階目は地球の公転と自転を考慮したモデルを構築し入力データである擬似距離の補正を実現し,2段階目は搬送波を利用して1段階目で求めた擬似距離をさらに高精度化することにより高精度測位の実現の可能性について示した.


はたざき かずなり
畑崎 計成 君(学生会員)
 1983年6月22日生.2006年東北大学工学部機械電子工学科卒業.08年同大学大学院情報科学工学科応用情報科学専攻博士課程前期修了,現在に至る.

受賞論文「繊毛振動駆動機構を用いた能動スコープカメラの開発 第3報:単一の振動源を用いた駆動機構」
<第8回システムインテグレーション部門講演会(SI2007)で発表>
 スコープカメラはレスキュー活動や配管などのひび割れ検査,遺跡調査など,狭所に挿入して内部を観察するツールとして有効である.筆者らは,スコープカメラに繊毛振動駆動を適用しケーブル全体に能動的駆動力を持たせることを可能とした.この駆動機構は多数の振動源を分布的にスコープカメラに配置し駆動力を得ていたが,探査の際に振動源自体が瓦礫などに引っかかる原因となっていた.
 本研究では,単一の振動源によりスコープカメラのケーブル全体を振動させる駆動機構を提案する.ケーブルの根本に振動源を設置し,ケーブルのねじり方向に振動させることによりケーブル全体を振動させる.これにより従来必要であった分布的な振動源が不要になり,スコープカメラの細径化,引っかかりの軽減などが図られる.また, この駆動機構によってケーブルに偏速度振動を加えることにより推進方向の制御が可能である.


かしはら こうじ
柏原 考爾 君(正会員)

 1973年11月16日生.2001年東京工業大学大学院社会理工学研究科人間行動システム専攻博士後期課程修了.同年国立循環器病センター研究所研究員.04年理化学研究所脳科学総合研究センター研究員,シドニー大学医学部客員研究員などを経て,08年名古屋工業大学大学院工学研究科研究員,現在に至る.人間の高次な脳機能および自律神経活動に関する研究に従事.博士(工学).

受賞論文「Non-parametric System Identification of Dynamic Baroreflex from Step Response」
〈SICE Annual Conference 2008で発表〉
 動脈圧反射系は,脳中枢および自律神経活動を介して素早く血圧調節を行い,生命活動の維持に重要な役割を担っている.特に,心臓病患者の容態は刻々と変化するため,この反射系の特性を短時間で定量的に評価できることは,つぎの有効な治療法を考える上でも重要となる.しかし,FFTなどの現状の解析法で動特性を評価するためには,時不変を仮定しながら,バックグラウンドノイズを除去するために多くの時間を必要とする.そこで,局在的な変化を含む短時間の生体データから動特性を推定できるように,ウェーブレット変換による時間周波数解析を基にした,ノンパラメトリックなシステム同定法を提案した.動脈圧反射系の応答モデルを使用し,短時間のステップ応答から動特性が精度良く推定できることを示した.また,短時間FFTとの比較により,本解析法の有効性を示すと同時に,臨床的な評価法としての可能性も示唆した.


Ching-Ming LAI 君(正会員)

He was born in Taichung, Taiwan, in 1982. He received the B.S. degree (with first class honors) in Aeronautical Engineering from National Huwei University of Science and Technology, Yunlin, Taiwan, in 2004, the M.S. degrees in Electrical Engineering from National Central University, Chungli, Taiwan, in 2006, and the Ph.D. degree in Electrical Engineering at National Tsing Hua University, Hsinchu, Taiwan, in 2009.
From 2004 to 2005, he was with the Engineering and Technology Promotion Center, National Science Council (NSC), Taiwan, as a Research and Development Assistant. From 2006 to 2007, he was with Display Technology Center (DTC), Industrial Technology Research Institute of Taiwan, as a R&D Engineer, working on the design and development of high-performance power supply for carbon-nanotube field emission display (CNT-FED) and LED backlight. Since July 2007, he has been with the Department of Aeronautical Engineering, National Formosa University, Yunlin, Taiwan, where he is currently a Lecturer. His main research interests include power electronics and renewable energy systems. He holds three Taiwan patents.
He received 2 Best Paper Awards from Taipei Power Electronics Association in 2007-2008. He also received the Outstanding Research Graduate Student Scholarships from System General Corporation in 2007. He is a member of the IEEE Industrial Electronics Society, IEEE Power Electronics Society, Chinese Institute of Electrical Engineering (CIEE), Taiwan Power Electronics Association (TaiPEA), Society of Instrument and Control Engineers (SICE).

受賞論文「Modeling of Circulating Currents for Grid-Connected Parallel Three-Phase Inverters」
〈SICE Annual Conference 2008で発表〉
In this paper, the generating mechanism of circulating currents for grid-connected parallel three-phase inverters is first explored. Then, a new and practical definition of circulating currents for each phase and each converter is proposed. Third, a mathematical model of the circulating current is then derived by using the well-known state space averaging technique. Finally, some simulation results obtained from the proposed model are compared with that by definition to verify the validity of the proposed model.
copyright © 2009(社)計測自動制御学会