SICE 社団法人 計測自動制御学会
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 会告:2007年度計測自動制御学会学会賞の贈呈
 2007年度計測自動制御学会学会賞贈呈のため,高橋亮一副会長を委員長とする学会賞選考委員会において慎重に選考の結果,下記論文賞10件,技術賞5件,著述賞2件,新製品開発賞1件が推薦され,理事会の決定を経て9月19日,SICE Annual Conference 2007 (SICE 2007 in Takamatsu) 会場において贈呈式を行い,受賞者に賞状・メダル・賞金が贈呈された.

[論文賞] 10件
(論文賞・蓮沼賞)
○ITS-90の高精度すず凝固点装置の開発
 (計測自動制御学会論文集Vol.41, No.3で発表)
   産業技術総合研究所 丹波 純君,佐藤公一君,山澤一彰君,岸本勇夫君,新井 優君
(論文賞)
○球殻弾性層内金属球の位置計測に基づく三次元運動体の合成加速度検出
 (計測自動制御学会論文集Vol.41, No.10で発表)
   新潟大学 岡田徳次君,三洋電機(株) 黒崎賢一君
(論文賞・武田賞)
○ハイブリッドシステムのモデル予測制御における離散ダイナミクスモデリング
 (計測自動制御学会論文集Vol.42, No.7で発表)
   東京工業大学 小林孝一君,井村順一君
(論文賞)
○配位多様体におけるアファイン拘束の理論的解析−Part I:アファイン拘束の可積分・非可積分条件と配位多様体の葉層構造−
 (計測自動制御学会論文集Vol.42, No.3で発表)
   大阪大学 甲斐健也君,理化学研究所 木村英紀君
○独立成分分析に基づく外乱抑制制御系設計
 (計測自動制御学会論文集Vol.42, No.12で発表)
   奈良先端科学技術大学院大学 新田益大君,杉本謙二君
○連続時間システム同定のための耐雑音性を有する反復学習制御
 (計測自動制御学会論文集Vol.42, No.5で発表)
   奈良工業高等専門学校 酒井史敏君
   京都大学 杉江俊治君
○汚染河川の自然浄化の解析,強化および推定:システム工学的アプローチ
 (計測自動制御学会論文集Vol.42, No.11で発表)
  京都工芸繊維大学 柏木正隆君,大住 晃君,渡邉雅彦君
  国土交通省北陸地方整備局 津知司君
(論文賞・友田賞)
○超音波エコーを利用した体肢横断面画像計測システムの開発
 (計測自動制御学会論文集Vol.42, No.6で発表)
   産業技術総合研究所 福田 修君
   広島工業大学 福元清剛君
(論文賞)
○トポロジカルモデルと結び目不変量を用いたマニピュレーションのためのロープの形状認識
 (計測自動制御学会論文集Vol.41, No.4で発表)
   名古屋大学 松野隆幸君,玉置大地君,新井史人君,福田敏男君
○ビル快適空調制御システムの開発と実用化
 (計測自動制御学会産業論文集Vol.4, No.3で発表)
   (株)東芝 米沢憲造君,花田雄一君,西村信孝君
[技術賞]5件
○オンライン固相吸着技術を用いた排水中PCBの極微量計測システムの開発と水熱分解プラントへの適用
 (日本環境化学会論文集,ほかで発表)
 三菱重工業(株) 澤津橋徹哉君,塚原千幸人君,野ア昭宏君
 長菱エンジニアリング(株) 馬場恵吾君,福永義徳君
○揚水発電所のためのアドバンストガバナ制御の開発
 (SICE-ICCAS 2006で発表)
   (株)東芝 岩渕一徳君
   東京電力(株) 生方正志君,渡部繁則君,正木和行君
   東電設計(株) 羽田尚之君
   (株)東芝 高木康夫君,近内 忠君,中原裕輔君
○局所回帰モデルを用いた厚鋼板の品質制御
 (SICE2005,ほかで発表)
   JFEスチール(株) 茂森弘靖君,水島成人君,
   池田展也君,平田直人君,長尾 亮君
○光衛星間通信実験衛星(OICETS)による光衛星間通信実験
 (電子情報通信学会宇宙航行エレクトロニクス研究会SANE2006-76,ほかで発表)
   宇宙航空研究開発機構 荒井功恵君,山本昭男君,小山善貞君,中川敬三君,山脇敏彦君,
   城野 隆君,高山佳久君,藤原勇一君,杢野正明君
   NEC東芝スペースシステム(株) 間瀬一郎君,池辺憲一君,佐藤尚樹君,白玉公一君,小倉直人君
○エネルギー管理技術
 (SICE-ICCAS 2006,会誌44-10製品紹介記事で発表)
    横河電機(株) 福沢充孝君,大原健一君,大谷哲也君,安部裕人君,渡辺 恒君,吉川 隆君
[著述賞]2件
○構造物の振動制御(産業制御シリーズJ)」
 (2006年・コロナ社)
   日本大学 背戸一登君 著
○モデル予測制御−制約のもとでの最適制御−
 (2005年・東京電機大学出版局)
   University of Cambridge Jan M. Maciejowski君 著
   慶應義塾大学 足立修一君
   科学技術振興機構,CREST 管野政明君 訳
[新製品開発賞]1件
○安全計装システム ProSafe-RS
   横河電機株式会社殿
[教育貢献賞]該当なし


受賞者略歴および受賞論文概要
たんば じゅん
丹 波   純 君 (正会員)
 1997年東北大学大学院工学研究科博士課程修了.同年工業技術院計量研究所(現産業技術総合研究所)入所.温度標準に関する研究に従事.2001年4月産業技術総合研究所 計測標準研究部門 高温標準研究室.07年4月より同室長.日本機械学会,日本伝熱学会などの会員.
さとう こういち
佐 藤 公 一 君 (正会員)
 1975年工業技術院計量研究所(現産業技術総合研究所)入所.基準器検査,型式承認試験,温度標準の供給および研究に従事.2001年4月より産業技術総合研究所 計測標準研究部門 高温標準研究室.
やまざわ かずあき
山 澤 一 彰 君 (正会員)
 1998年慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程修了.慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科助手(有期)を経て,99年工業技術院計量研究所(現産業技術総合研究所)入所.温度標準の研究に従事.2001年より産業技術総合研究所 計測標準研究部門 高温標準研究室.博士(工学).
きしもと いさお
岸 本 勇 夫 君 (正会員)
 1992年大阪大学大学院理学研究科博士課程修了.93年工業技術院計量研究所(現産業技術総合研究所)入所.熱物性計測,温度標準に関する研究等に従事.2001年4月産業技術総合研究所 計測標準研究部門 高温標準研究室.05年5月より計量標準管理センター 計量標準計画室長.
あらい まさる
新 井   優 君 (正会員)
 1984年東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了.同年工業技術院計量研究所(現産業技術総合研究所)入所.温度標準の研究に従事.94年イタリア G.コロネッティ計量研究所にて在外研究.2001年4月産業技術総合研究所 計測標準研究部門 高温標準研究室長.07年4月より同部門主幹研究員兼温度湿度科長.応用物理学会,日本熱物性学会などの会員.
受賞論文「ITS-90の高精度すず凝固点装置の開発」
 すずの凝固点(231.928 ℃)は,「1990年国際温度目盛(ITS-90)」を実現するための温度定点の1つであり,標準用白金抵抗温度計等の補間計器を校正し,実際的な温度の計測を可能とするものである.  産業技術総合研究所 計量標準総合センター(NMIJ)では,各種計量に関する国家標準の維持,および,それらの不確かさ低減や領域の拡大のための研究開発に取り組んでいる.すず凝固点装置も,温度の国家標準の1つであり,中温域の要となるものである.今回,その不確かさ低減のため,新たに熱的性能を改良した定点セルと定点炉を製作するとともに,凝固点を実現するための冷却方法・条件を改良し,その性能を評価した.定点実現の良好性の指標である凝固プラトーの継続時間は,従来の8時間から45時間以上とすることができ,また,0.05 mKというきわめて高い再現性が得られた.国際的にもトップレベルの標準器であり,国内に供給している温度目盛の高精度化に繋がるものである.

おか だ とくじ
岡 田 徳 次 君(正会員)
 1969年新潟大学工学部電気工学科卒業.同年電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)入所.知能ロボットシステムの研究に従事.87年新潟大学工学部機械システム工学科助教授,90年情報工学科教授,98年福祉人間工学科,現在に至る.工学博士.メカトロニクス,ロボティクス,インテリジェントセンサなどの研究に従事.日本ロボット学会,日本機械学会,電子情報通信学会,IEEEの会員.
くろさき けんいち
黒 崎 賢 一 君(正会員)
 2001年新潟大学工学部情報工学科卒業.03年新潟大学大学院自然科学研究科情報・計算機工学専攻修了.同年三洋電機(株)に入社.アナログLSIビジネスに従事.06年三洋半導体(株) MS(ミックスドシグナル)統括事業本部,現在に至る.
受賞論文「球殻弾性層内金属球の位置計測に基づく三次元運動体の合成加速度検出」
 運動体の姿勢にかかわる計測や制御には重力加速度,プラットフォームの安定な制御には運動と重力の合成加速度,がそれぞれ重要な情報となる.これらの入力に従来から慣性ジャイロ,リングレーザジャイロ,チップ化した半導体加速度センサ,などさまざまな装置や素子が開発され,また,実用になっている.しかしその多くは,衝撃力のような急激な変化に対して有効であるが緩やかな変化に十分な性能を有するとは言い難い.事実,牛や亀の背中の動きに似た鈍い変化の計測には必ずしも適しない.本論文は,このような状況下においても全方向の加速度計測を可能にする新規な実時間計測法を提案し,また,試作してその有効性を検証した.本法は,回転軸を有しないため3次元空間内のいかなる方向変化にも即応するだけでなく,経時誤差を累積せず,また,パッシブ型で省エネにも有効である.重力場におけるダイナミックな運動の合成加速度センサとして,たとえば前後,左右,上下の判別がきわめて困難な水中や配管内の平衡感覚センシングに応用できる.

こばやし こういち
小 林 孝 一 君
(正会員)
 2000年法政大学大学院工学研究科修士課程修了.00〜04年新日本製鐵(株)勤務.07年東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程修了.同年北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科助教となり,現在に至る.ハイブリッドシステムの制御などの研究に従事.博士(工学).2006年度本会学術奨励賞,2007年度システム制御情報学会論文賞受賞.システム制御情報学会,IEEEなどの会員.
いむら じゅんいち
井 村 順 一 君
(正会員)
 1990年京都大学大学院工学研究科修士課程修了.92年同大学大学院工学研究科博士課程中途退学.同年同大学工学部助手.96年広島大学工学部助教授.2001年東京工業大学大学院情報理工学研究科助教授.04年同教授となり,現在に至る.98年5月より1年間 Twente 大学客員研究員.非線形システム,ハイブリッドシステムの制御などの研究に従事.博士(工学).システム制御情報学会,日本ロボット学会,日本鉄鋼協会,電子情報通信学会,IEEEなどの会員.
受賞論文「ハイブリッドシステムのモデル予測制御における離散ダイナミクスモデリング」
 ハイブリッドシステムのモデル予測制御問題は一般に混合整数二次計画(MIQP)問題に帰着できることが知られている.しかしながら,MIQP 問題は 0-1 変数の次元に対して,計算量が指数関数的に増加する問題点を抱えており,実用化に向けた課題となっている.したがって,有限オートマトンに代表される離散ダイナミクスを少ない 0-1 変数でどのように表現すればよいか,という問題は重要であるが,これまでほとんど研究されていない.本論文では,従来手法より少ない 0-1 変数で有限オートマトンを表現する新しい手法を提案する.まず,有限オートマトンを実数体上のインプリシットシステムによって表現する手法を提案する.つぎに,0-1 変数の性質を保存した変数変換が容易な有限体上のインプリシットシステムに変換した上で,状態方程式に変換する.さらに,状態変数および入力変数の次元を保存した実数体上の状態方程式に変換可能であることを示す.最後に,提案手法の有効性を数値例によって示す.

かい たつや
甲 斐 健 也 君(正会員)
 2005年東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻博士課程修了.同年大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻助手.07年同大学助教となり現在に至る.非線形制御理論,非ホロノミックシステムの研究などに従事.博士(科学).2004年度本会学術奨励賞受賞.2006年度本会制御部門大会賞受賞.システム制御情報学会の会員.
きむら ひでのり
木 村 英 紀 君(名誉会員,フェロー)
 1965年東京大学工学部計数工学科卒業.70年同大学院博士課程修了.同年4月大阪大学基礎工学部助手,講師,助教授を経て,87年同大学工学部教授.95年東京大学大学院工学系研究科教授.2004年4月理化学研究所バイオ・ミメティックコントロール研究センターチームリーダ.制御理論,ロバスト制御,生物制御の研究に従事.本会およびIEEE, IFAC Fellow,1972,1983,1993,1997年本会論文賞,1998,2004年本会著述賞,1984,1990年IFAC論文賞,1985年IEEE CSS G. Axelby賞など受賞.
受賞論文「配位多様体におけるアファイン拘束の理論的解析−Part I:アファイン拘束の可積分・非可積分条件と配位多様体の葉層構造−」
 非ホロノミックシステムの研究において扱われている拘束条件は,速度に線形である「線形拘束」がほとんどである.しかし,初期角運動量をもつ宇宙ロボット・回転盤上の球などに代表される,速度にアファインである「アファイン拘束」も実際に存在し,これらの研究はこれまでほとんど行われてこなかった.本論文は配位多様体上で定義されるアファイン拘束を扱った一連の論文の第一論文であり,おもにアファイン拘束の微分幾何学的な解析に焦点を当てた.まず,アファイン拘束やそれに関連する諸概念を定義し,アファイン拘束の幾何学的表現とその性質を示した.つぎに,アファイン拘束が完全可積分・部分非可積分・完全非可積分のそれぞれの場合となるための必要十分条件を導き,ある分布の計算によって,上記のどの場合になるかが判定できることを示した.そして,そのそれぞれの3つの場合において,アファイン拘束の積分多様体によって配位多様体がどのような葉層構造に分かれるか,また接空間におけるアファインベクトル場と分布の関係などについて解析を行った.特に,従来行われてきた線形拘束の研究では知られていなかった,時間と共に変化するような時変的葉層構造の存在を示すことができた.

にった ますひろ
新 田 益 大 君(正会員)
 2002年京都工芸繊維大学卒業.07年奈良先端科学技術大学院大学博士後期課程を修了し,東京理科大学助教となり現在に至る.独立成分分析,システム同定,雑音除去などの研究に従事.博士(工学).システム制御情報学会の会員.
すぎもと けんじ
杉 本 謙 二 君(正会員)
 1982年京都大学大学院工学研究科数理工学専攻修士課程修了.三菱電機,京都大学,岡山大学,名古屋大学を経て奈良先端科学技術大学院大学教授となり現在に至る.システム制御に関する研究に従事.工学博士.システム制御情報学会,電子情報通信学会,人工知能学会,IEEEなどの会員.
受賞論文「独立成分分析に基づく外乱抑制制御系設計」
 外乱はシステムに悪影響を及ぼす特定困難な外界からの信号であり,その抑制は制御工学における主要な課題の1つである.しかし外乱を直接観測する術がないため抑制は容易ではない.そこでH∞制御の枠組みでは外乱から評価出力までの感度を低減化することで解決が図られてきた.この方法では周波数重みを適切に設計する必要があるが,外乱がどのような経路で作用するのかが不明なため,試行錯誤で決定するのが常であった.これに対し,本論文では外乱と制御入力との間の信号の独立性に着目し,独立成分分析により外乱源と,そこから出力までの伝達特性を同定することを提案した.まず同定した伝達特性を周波数重みとして採用することで系統的かつ効果的に外乱を抑制できることを示した.つぎに独立成分分析を利用すると逆システムが推定できることを利用し,簡便な外乱抑制制御系の設計法を導いた.これらの有効性を数値例で確認した.

さかい ふみとし
酒 井 史 敏 君(正会員)
 2001年金沢大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了.同年奈良工業高等専門学校助手.2007年同助教.システム同定,メカトロニクスシステムの制御等の研究に従事.博士(工学).システム制御情報学会,日本機械学会,IEEEの会員.
すぎえ としはる
杉 江 俊 治 君(正会員,フェロー)
 1978年京都大学大学院修士課程精密工学専攻修了.84年同博士後期課程研究指導認定退学.78〜80年日本電信電話公社勤務.84年大阪府立大学工学部助手.88年京都大学工学部助教授を経て,現在情報学研究科教授.ロバスト制御,システム同定,非線形制御等の研究に従事.工学博士.1991年システム制御情報学会椹木記念論文賞,1998年同論文賞,1994,2000,2003年本会論文賞を受賞.本会フェロー,IEEEフェロー.システム制御情報学会,日本ロボット学会,IEEEなどの会員.
受賞論文「連続時間システム同定のための耐雑音性を有する反復学習制御」
 本論文では,連続時間システム同定のための耐雑音性を有する反復学習制御を提案を行う.はじめに,パラメータ空間における反復学習制御に対して,過去の試行における情報を利用するための積分器を導入した新しい学習更新則の提案を行う.つぎに,提案する学習更新則における学習ゲインの設計問題は,離散時間システムに対する状態フィードバックによる安定化問題に帰着され,学習ゲインの設計にH2状態フィードバック制御を利用することにより,観測雑音が推定パラメータにおよぼす影響を最小化する学習ゲインの設計を行うことが可能であることを示す.さらに,観測雑音に起因するパラメータ推定誤差の分散についての考察を行い,反復学習制御を行う前(学習ゲイン設計時)に試行の繰り返しにより最終的にどの程度の同定精度が得られるかを評価することができることを示す.最後に,従来の連続時間システム同定法との比較に関する考察を行い,観測雑音が加わる環境下においても従来法と同等以上の同定精度が得られることを数値例により確認することができた.

かしわぎ まさたか
柏 木 正 隆 君 (正会員)
 1973年京都工芸繊維大学大学院修士課程修了.同年東レ(株)に入社,製造設備の開発に従事.技術課長職を歴任.退社後,(株)ゴーシュー技術主査として設備開発を担当.その後,滋賀県立瀬田高等学校常勤講師を経て,現在滋賀県立八幡工業高等学校および滋賀県立瀬田工業高等学校にて情報電子の授業を担当.京都工芸繊維大学博士(工学).環境問題に関心をもつ.システム制御情報学会,IWAなどの会員.
おおすみ あきら
大 住   晃 君 (正会員)
 1969年京都工芸繊維大学大学院修士課程修了.同年同大学生産機械工学科助手,同助教授を経て,89年同機械システム工学科教授,2006年大学改組により大学院工芸科学研究科機械システム部門教授.07年同大学定年退職.同年5月より宮崎大学工学部情報システム工学科教授となり現在に至る.その間,83年米国ハーバード大学応用科学科客員研究員(文部省在外研究員((長期)).05年システム制御情報学会会長.主として確率システム理論を中心に.信号検出.推定.システム同定.モデリングと制御などの研究に従事.京都大学工学博士.82年本会論文賞・05年著述賞,01年システム制御情報学会論文賞および砂原賞,91年日本下水道管渠推進技術協会黒瀬賞,各受賞.システム制御情報学会,IEEEなどの会員.
わたなべ まさひこ
渡 邉 雅 彦 君 (正会員)
 2006年京都工芸繊維大学大学院博士前期課程機械システム工学専攻修了.同年日立マクセル(株)に入社.京都事業所生産技術部配属,現在に至る.環境問題に関心をもつ.
たかつ ともじ
高 津 知 司 君 (正会員)
 1987年京都工芸繊維大学大学院修士課程修了.同年建設省土木研究所研究員,同省地方建設局.(財)日本建設情報総合センター首席研究員,国土交通省国営越後丘陵公園事務所所長などを経て,2007年本州四国連絡高速道路(株)保全事業部設備課長となり,現在に至る.その間,京都工芸繊維大学博士後期課程に社会人入学し修了.92年独国ルール大学客員研究員(科学技術庁より派遣),茨城大学非常勤講師(02年〜)などを務める.確率システムの同定と制御の研究に従事.92年日本建設機械化協会準会長賞受賞.システム制御情報学会,日本機械学会などの会員.博士(工学).
受賞論文「汚染河川の自然浄化の解析,強化および推定:システム工学的アプローチ」
 近年地球規模で環境汚染問題を考えるとき,都市近郊における河川の水質汚染問題解決の必要性が叫ばれている.本研究では,水質の指標である BOD(生物化学的酸素要求量)と DO(溶存酸素量)に着目し,古典的な Streeter-Phelps モデルではなく拡散項を無視しない Gundelach-Castillo の水質方程式に基づいて議論を行った.その水質方程式は不安定解を含むが,自然境界条件によってそれら不安定解を除いて状態空間表現を求め,そのモデルをもとに河川の自然浄化作用の解析とその強化 (制御),さらに離散地点で得られる BOD と DO の不規則観測データからの河川の水質の推定問題について考察した.

ふくだ おさむ
福 田   修 君(正会員)
 2000年広島大学大学院工学研究科博士課程後期修了.1997〜99年の期間,日本学術振興会特別研究員(DC1).00年通商産業省工業技術院機械技術研究所入所,01年独立行政法人産業技術総合研究所へ転任.04年より広島大学大学院工学研究科客員助教授.現在に至る.博士(工学).ニューラルネット,ヒューマンインタフェース,超音波画像計測などの研究に従事.電子情報通信学会,日本医科器械学会などの会員.
ふくもと きよたか
福 元 清 剛 君(学生会員)
 2006年広島工業大学工学研究科博士前期課程情報システム工学専攻修了,06年九州大学大学院芸術工学府芸術工学専攻入学.現在に至る.高齢者や身体不自由者の体組成,デジタル画像認識などの研究に従事.日本体力医学会,American College of Sports Medicineの会員.
受賞論文「超音波エコーを利用した体肢横断面画像計測システムの開発」
 客観的・科学的健康管理を実施する上で,「体組成」は最も基本的な評価インデックスの1つである.そこでわれわれは体組成を正確に評価するために,複数個の超音波探触子を用いてX線CTやMRIと同様に体肢の横断面画像を計測可能なシステムを開発した.本システムは探触子ユニット,メインユニット,および画像合成ソフトウェアからなる.本装置の妥当性,再現性,操作性,フィールドでの有効性を検証するために実験を行った.その結果,妥当性においてはMRIと高い相関関係が得られ,再現性においても十分な精度が得られた.また,操作性においては大幅な計測時間の短縮と画像合成時の精度向上が確認できた.さらに,フィールド調査においても358名から得られたデータから筋バランスの変化などを観察でき,調査研究に十分耐えうるものであることが確認できた.

まつの たかゆき
松 野 隆 幸 君 (正会員)
 1975年4月8日生.98年名古屋大学大学工学部機械航空工学科卒業.2000年名古屋大学大学大学院工学研究科 マイクロシステム工学専攻修了.04年9月名古屋大学大学大学院学研究科 マイクロシステム工学専攻博士後期課程満期退学.04年10月名古屋大学大学大学院工学研究科 マイクロナノシステム工学 助手.06年富山県立大学工学部知能デザイン工学科助手,07年助教となり,現在に至る.ロボットによる柔軟物体のハンドリング,組立作業の自動化の研究に従事.IEEE,日本機械学会,日本ロボット学会などの会員.
たまき だいち
玉 置 大 地 君 (正会員)
 1979年11月12日生.2002年名古屋大学工学部機械航空工学科卒業.04年名古屋大学大学院工学研究科マイクロシステム工学専攻卒業.同年,松下電器産業(株)に入社.ディジタルAV機器の開発に従事.
あらい ふみひと
新 井 史 人 君 (正会員)
 1963年8月1日生.88年東京理科大学大学院工学研究科修士課程修了.同年富士写真フィルム(株)入社.89年10月より名古屋大学工学部助手,93年工学博士(名古屋大学),94年名古屋大学大学院工学研究科講師,98年同助教授.2005年10月より,東北大学大学院工学研究科バイオロボティクス専攻教授となり現在に至る.この間,2000〜2003年科学技術振興事業団さきがけ研究21 研究者,2005年ファイン・バイオメディカル有限会社(大学発ベンチャー)取締役を兼業.2005年IEEE-NANO2005 General Chair,2007年第15回化学とマイクロ・ナノシステム研究会実行委員長.おもな研究領域はマイクロ・ナノロボット工学,知能メカトロニクスとバイオ・メディカル応用.2000年Early Academic Career Award, IEEE, Robotics and Automation Society,2000年NEDO地域コンソーシアム優秀プロジェクト,2001年および2005年日本機械学会ROBOMEC表彰,2004年日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門 学術業績賞,2004年日本ロボット学会論文賞,ほか受賞.日本機械学会,日本ロボット学会,IEEEなどの会員.
ふくだ としお
福 田 敏 男 君 (正会員,フェロー)
 1948年富山県生.71年早稲田大学理工学部機械工学科卒業.77年東京大学大学院博士課程修了.工学博士.現在名古屋大学大学院工学研究科教授・同大学高等研究院流動教員.98〜99年米国電気電子工学協会ロボティクス・オートメーション学会会長,2001〜02年同協会理事,02〜03年,04〜05年同協会ナノテクノロジー学会会長,03〜05年日本知能情報ファジィ学会会長,自己組織化ロボット,マイクロ・ナノロボットの研究などに従事している.日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門功績賞(1995),IEEE Eugene Mittelmann Achievement Award (1997),IEEE Millennium Medal(2000),Pioneer in Robotics and Automation Award(2004),日本ロボット学会論文賞(2004),IEEE Robotics and Automation Society Distinguished Service Award(2005),文部科学大臣表彰科学技術賞(2005),本会SI部門学術業績賞(2005),日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門ROBOMEC賞(2006)など多数受賞.IEEEフェロー(1995),本会フェロー(1995),日本機械学会フェロー(2002),日本ロボット学会フェロー(2004).
受賞論文「トポロジカルモデルと結び目不変量を用いたマニピュレーションのためのロープの形状認識」
ロボットでロープなどの不定形物体を自在に操るのは容易ではなく,操作を誤る可能性は否定できない.それゆえ不定形物体のマニピュレーションにはエラーリカバリ動作が必要となる.エラーリカバリを実現するには操作対象物体の状態が計画から離れていることを発見する異常検出と目標状態までの移行のためのタスクの再プランニングが必要となる.
 このようなエラーリカバリシステムを考えたとき超多自由度の不定形物体の形状から抽象化された情報を取り出し利用する必要がある.超多自由度の線状柔軟物体であるロープをグラフ構造で記述し作業計画に取り入れる考え方がある.しかし,グラフ構造で記述することで形状は抽象化されているが,エラーリカバリを実現するにはより抽象化された情報が必要である.
 そこでわれわれはロープの形状情報をトポロジカルモデルで記述し,視覚情報を用いてロープの形状を識別する手法を提案し,実験により有効性を確認した.

よねざわ けんぞう
米 沢 憲 造 君 (正会員)
 1975年大阪大学大学院工学研究科応用物理専攻修士課程修了.同年(株)東芝に入社.現在電力・社会システム技術開発センター・エネルギーソリューション開発部勤務.主としてビルの監視制御および省エネルギーの研究開発に従事.電気学会会員.
はなだ ゆういち
花 田 雄 一 君 (正会員)
 1991年東京理科大学工学部電気工学科卒業.同年(株)東芝に入社.現在施設システム技術第二部勤務.主としてビル省エネルギーソリューション業務に従事.電気設備学会,空気調和・衛生工学会各会員.技術士(電気・電子部門).
にしむら のぶたか
西 村 信 孝 君 (正会員)
 1983年慶應義塾大学大学院管理工学研究修士課程修了.同年(株)東芝に入社.現在施設システム技術第二部勤務.主としてビル施設の監視制御設備,空調自動制御設備のシステムエンジニアリングに従事.電気設備学会会員.技術士(電気・電子部門).
受賞論文「ビル快適空調制御システムの開発と実用化」
 ビルにおける空調制御では,快適な環境の確保が必要であると同時に,地球環境保護の観点からいっそうの省エネ化が求められている.このため,ビル監視制御システムの新しい技術として,快適性指標PMVを用いて快適性と省エネを両立させる快適空調制御を開発し実用化した.本論文では,まずビル全体をトータルに運営管理する統合ビル管理システムにおける空調制御システムの特徴を述べ,その中心的機能である快適空調制御機能について述べた.さらに,シミュレーションによる事前検討結果および平成12年より10数か所のビルの一部フロアに,快適空調制御を加えたシステムを導入した検証試験結果例について述べた.またこの省エネ効果の結果などが認められ,多くのビルに本格導入していただき,快適空調制御を活用してビルエネルギーマネジメントシステム(BEMS)を実現している例についても述べた.東芝本社ビルでも全館適用し,H15年度の省エネルギー優秀事例大会((財)省エネルギーセンタ)において,経済産業大臣賞を受賞した.

さわつばし てつや
澤津橋 徹 哉 君
 2000年佐世保工業高等専門学校物質工学科卒業,同年三菱重工業(株)に入社.同社長崎研究所にてポリ塩素化ビフェニル(PCB)一貫処理プロジェクトを通じて,環境汚染有機化合物の微量分析技術に関する研究開発を行い,現在は九州大学総合理工学府博士後期課程にて環境計測システムの研究に従事.日本分析化学会,日本環境化学会の会員.
つかはら ちさと
塚 原 千幸人 君
 1975年長崎県立大村工業高等学校化学工学科卒業,同年三菱重工業(株)に入社.同社長崎研究所にて,各種プラントの性能評価分析,調査分析の技術開発等に携わる.ポリ塩素化ビフェニル(PCB)一貫処理プロジェクトを通じた環境計測の研究に従事.環境ホルモン学会,プラズマ分光分析研究会の会員.
のざき あきひろ
野 ア 昭 宏 君
 1996年佐世保工業高等専門学校物質工学科卒業,同年三菱重工業(株)に入社.以後,同社長崎研究所にて,主に化学・機器分析計測技術を適用した各種実験研究,製品開発業務に従事.各種電力,化学プラントのオンサイト計測や現地指導などの業務も対応.
ばば けいご
馬 場 恵 吾 君
 1985年長崎県立長崎北高校卒業,1992年長菱エンジニアリング(株)入社.環境分析担当後,PCBモニタリング装置の設計,開発に参画.現在東京PCB処理プラントにおいてオンラインモニタリング装置の連続運転業務に従事.
ふくなが よしのり
福 永 義 徳 君
 1998年長崎大学工学部応用化学科卒業,同年長菱エンジニアリング(株)へ入社.環境分析業務を経て環境計量士(濃度関係)を取得し,PCBモニタリング装置の開発・製作に参画.現在,火力発電プラントの水質管理業務に従事.
受賞論文「オンライン固相吸着技術を用いた排水中PCBの極微量計測システムの開発と水熱分解プラントへの適用」
 ポリ塩化ビフェニル(PCB)は,優れた化学的安定性を有し,絶縁油などに広く利用されてきたが,2001年PCB特措法制定によって,全国各地のPCB分解プラントでその処理が行われている.PCB分解時には,周辺環境への排水にPCBが含有していないことを常時計測することが必要であるが,従来の公定分析法は,操作が非常に煩雑で分析に3日を要することから短時間でのPCB計測が求められていた.そこで,PCB処理プロセスの効率化,反応制御のためのPCB極微量計測技術として(1)親水性のN-Vinylpyrrolidoneと疎水性のDivinylbenzeneからなる共重合体を用いたオンライン固相抽出技術,(2)プレカットインジェクション方式ガスクロマトグラフ・電子捕獲型検出法による高感度計測技術,を組み合わせた新規のPCB計測システムを開発した.開発した技術は,排水中のPCBモニタリング装置として東京PCB処理事業へ適用され,PCB処理の高効率化に大きく貢献するとともに,反応制御および環境モニタリング装置として約2年半稼動中である.

いわぶち かずのり
岩 渕 一 徳 君 (正会員)
 1997年千葉大学大学院工学研究科機械工学専攻修士課程修了.同年(株)東芝に入社.主として,発電プラントおよび空調システムの制御・解析技術の研究開発に従事.
うぶかた まさし
生 方 正 志 君
 1989年横浜国立大学大学院工学研究科博士課程前期修了,同年東京電力(株)入社,93年より大型揚水発電所の建設に従事すると共に,揚水発電所のポンプ水車および調速機の研究開発に従事.
わたなべ しげのり
渡 部 繁 則 君
 1978年東電学園高等部卒業,同年東京電力(株)入社,82年より大型揚水発電所の建設に従事すると共に,揚水発電所のポンプ水車および調速機の研究開発に従事,現在に至る.
まさき かずゆき
正 木 和 行 君
 1994年電気通信大学大学院電気通信学研究科博士前期課程電子工学専攻修了.同年東京電力(株)入社.水力発電所の運転・保守・建設および研究開発に従事.2006年より技術開発研究所にて分散型電源に関する研究に従事.
はねだ なおゆき
羽 田 尚 之 君
 1992年八戸工業大学工学部電気工学科卒業,同年東京電力(株)入社,98年より同社建設部で新技術の開発および水力発電所の設計業務に従事,2005年より東電設計(株)にて海外における水力発電プロジェクトのコンサルティング業務に従事,現在に至る.
たかぎ やすお
高 木 康 夫 君 (正会員)
 1980年京都大学工学部原子核工学修士課程修了.同年(株)東芝に入社.主として,発電プラントおよび発電機制御技術開発に従事.87年ミズーリ州ワシントン大学システム科学科修士号取得.電気学会,システム制御情報学会の会員.工学博士.
こんない ただし
近 内   忠 君
 1980年郡山北工業高等学校電気科卒業.同年(株)東芝に入社.発電制御システム部にて水力発電プラントの制御設計・開発に従事.現在に至る.
なかはら ゆうすけ
中 原 裕 輔 君
 1994年東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻修士課程修了.同年(株)東芝に入社.以来水力発電所発電機器のエンジニアリング業務に従事.
受賞論文「揚水発電所のためのアドバンストガバナ制御の開発」
 水力発電所では,負荷急変時に水圧鉄管や水車ケーシングにかかる過度の圧力上昇を抑えるため,導水管路にサージタンクが設けられている.従来のガバナ制御では,水流の変化によるサージング拡大時の負荷遮断を想定するとサージタンク規模は必然的に大きくなる.そこで,上記課題を解決するために現代制御理論を適用したアドバンストガバナ制御方式を開発した.カルマンフィルタと最適レギュレータからなるフィードバック制御と,負荷指令のフィードフォワード制御をもつ2自由度の制御構造をもち,水力発電所の水流サージング低減と負荷追従性との両立を実現した.高精度な水力プラントモデルによるシミュレーションによる検証を経て,2005年12月に運開した東京電力神流川揚水発電所1号機(47万kW)に実用化した.同発電所のサージタンク規模を約30%小さくすることを可能にし,大容量揚水発電所の建設コスト削減に大きく貢献した.

しげもり ひろやす
茂 森 弘 靖 君(正会員)
 1992年京都大学大学院工学研究科電気工学専攻修士課程修了.同年,川崎製鉄(株)(現,JFEスチール(株))に入社し,現在に至る.入社以来,鉄鋼プロセスの制御・システムの研究開発,建設,保全業務に従事.最近は,鉄鋼製品の品質設計・品質制御・品質解析に関する研究開発に従事.
みずしま なりひと
水 島 成 人 君(正会員)
 1985年大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻制御工学分野修士課程修了.同年,川崎製鉄(株)(現,JFEスチール(株))に入社し,現在に至る.入社以来,鉄鋼プロセスの制御・システムの研究開発,建設,保全業務に従事.
いけだ のぶや
池 田 展 也 君
 1993年大阪大学大学院基礎工学研究科制御工学分野専攻修士課程修了.同年,川崎製鉄(株)(現,JFEスチール(株))に入社し,現在に至る.入社以来,鉄鋼プロセスの制御・システムの研究開発,建設,保全業務に従事.
ひらた なおと
平 田 直 人 君
 1991年京都大学大学院工学研究科機械工学専攻修士課程修了.同年,日本鋼管(株)(現,JFEスチー(株))入社.厚板の製造部にて寸法精度・温度精度向上に従事.
ながお りょう
長 尾   亮 君
 2000年大阪大学大学院工学研究科生産科学専攻修士課程修了.同年,川崎製鉄(株)(現,JFEスチール(株))に入社.西日本製鉄所にて厚板の製造管理および操業改善に従事.現在に至る.
受賞論文「局所回帰モデルを用いた厚鋼板の品質制御」
 複雑かつ非線形なプロセスに対して,Just-In-Timeモデルの一種である局所回帰モデルを応用した鉄鋼製品の品質制御手法を提案した.また,本制御手法を用いた品質制御システムを開発し,厚鋼板の材質制御および幅寸法制御へ適用した.
 Just-In-Timeモデリングを用いた自動プロセス制御を実用化できた.本システムは,JFEスチール(株)西日本製鉄所において製品の生産に使用されており,安定稼動している.製品の品質制御精度を大幅に向上できた.それにより,品質不良の発生リスクおよび製造コストを低減できた.さらに,従来,スタッフが行う必要のあった膨大なモデルパラメータテーブルのメンテナンス作業の負荷を大幅に低減でき,従業員満足度の向上にも大きく貢献している.
 今後は,物理モデルの構築が困難,または環境変化によりモデルの精度の維持が困難な他のさまざまなプロセスの自動制御に対して,本手法の適用範囲を拡大していく予定である.

あらい かつよし
荒 井 功 恵 君
 1974年芝浦工業大学電子工学科卒業,同年宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構)へ入社,放送衛星,民生部品・コンポーネント実証衛星(つばさ)の開発等の衛星開発に従事,光衛星間通信実験衛星[OICETS](きらり)プロジェクトマネージャ.
やまもと あきお
山 本 昭 男 君
 1970年3月島根大学文理学部理学課卒業.同年,宇宙開発事業団に入社し人工衛星の追跡管制システムの開発に従事.平成5年,光衛星間通信実験衛星プロジェクトマネージャに就任,平成14年年同衛星の開発を終える.その後,衛星運用技術部長を経て,執行役,総合技術研究本部宇宙技術統括に就任.専門は軌道力学.
こやま よしさだ
小 山 善 貞 君
 1968年東京大学工学部精密機械工学科卒業,同年日本電気(株)入社.光通信機器の研究・開発,衛星搭載光応用機器の開発に従事.2005年4月よりJAXA招聘職員.
なかがわ けいぞう
中 川 敬 三 君
 1980年京都大学工学部航空工学科卒業,82年同大学大学院工学研究科修士課程修了.同年宇宙開発事業団(現宇宙航空研究開発機構)入社,現在に至る.放送衛星3号,光衛星間通信実験衛星の開発を経て,現在,GCOMプロジェクトマネージャ.
やまわき としひこ
山 脇 敏 彦 君
 1979年東京大学精密機械工学科卒業.同年宇宙開発事業団入社.「ふわっと‘92」材料系実験装置,宇宙ステーション共通実験装置を担当後,95年より光衛星間通信実験衛星(OICETS)の開発に従事.2006年より情報・計算工学センターにて衛星設計支援システムの開発に従事.
じょうの たかし
城 野   隆 君
 1990年熊本電波工業高等専門学校電子工学課卒業.同年宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構)に入社.93年より光星間通信実験衛星(OICETS)の開発に従事.おもに光衛星間通信機器及びSバンド通信機器の開発および軌道上実験の実施およびデータ解析を担当.電子情報通信学会,AIAA,SPIEなどの会員.
たかやま よしひさ
高 山 佳 久 君
 1998年北海道大学大学院工学研究科電子情報工学専攻博士後期課程終了.博士(工学).99年郵政省通信総合研究所(現 独立行政法人情報通信研究機構 NICT)入所.2004〜07年独立行政法人宇宙航空研究開発機構へ出向.07年NICT新世代ワイヤレス研究センター宇宙通信ネットワークグループ配属,現在に至る.
ふじわら ゆういち
藤 原 勇 一 君
 1987年慶應義塾大学大学院電気工学専攻修士課程修了.同年宇宙開発事業団入社.COMETS,DRTS,OICETSの開発に従事.現在(独)宇宙航空研究開発機構にて超高速インターネット衛星(WINDS)の開発に従事.
もくの まさあき
杢 野 正 明 君 (正会員)
 1990年大阪大学大学院工学研究科修士課程修了,同年宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構)に入社.92年より技術試験衛星Z型(ETS-VII)のランデブドッキング実験システム,2004年より光衛星間通信実験衛星(OICETS)の開発・実験運用に従事.現在,地球環境変動観測ミッション(GCOM)プロジェクトチームに所属.日本航空宇宙学会,AIAA会員.1999年本会技術賞・友田賞受賞.
ませ いちろう
間 瀬 一 郎 君
 1972年京都大学工学部電気第二学科卒業,同年日本電気(株)入社.以来,衛星のシステム熱設計,システム設計に従事.OICETS(きらり)プロジェクトマネジャー.日本航空宇宙学会会員.
いけべ けんいち
池 辺 憲 一 君
 1979年東北大学工学研究科電気及び通信専攻修了.同年日本電気(株)入社.以来,衛星システムを中心とする宇宙システムの開発に従事.OICETS(きらり)システムマネジャー.
さとう なおき
佐 藤 尚 樹 君
 1974年東海大学工学部制御工学科卒業.同年日本電気(株)入社.以来,コンポーネント設計,システム設計に従事.OICETS(きらり)サブプロジェクトマネジャー.
しらたま こういち
白 玉 公 一 君
 1980年東北大学工学部電子工学科卒業.同年日本電気(株)入社.以来,光通信装置,光応用装置,衛星搭載光応用機器の開発に従事.現在NEC東芝スペースシステム(株)で同業務に従事.OICETS(きらり)光衛星間通信マネジャー.電子情報通信学会会員.
おぐら なおと
小 倉 直 人 君
 1983年東京大学工学部卒業,85年同大学大学院工学系研究科修士課程修了.同年日本電気(株)入社.人工衛星の姿勢制御系の研究・開発に従事.OICETS(きらり)姿勢制御系責任者.日本航空宇宙学会会員.
受賞論文「光衛星間通信実験衛星(OICETS)による光衛星間通信実験」
 近年,衛星の大型化や観測センサの高性能化に伴い,データ伝送容量が飛躍的に増大している.地球観測衛星のような低軌道衛星の場合,観測データの伝送は静止衛星であるデータ中継衛星を介して行うことが有効である.電波の場合,低軌道衛星側に1m径程度のアンテナが必要であり,衛星の姿勢制御への影響が避けられない.それに比べ光通信は,波長が短いことから,小型のアンテナと機器で大容量データ伝送が可能となる.一方,光通信を実現するためには,高速で移動しかつ数万km離れた衛星間で,広がり角が数μradというシャープなレーザー光を相手衛星に照射し続ける高度な技術が必要となる.
 光衛星間通信実験衛星「きらり」は,将来技術の光衛星間通信に関し,欧州宇宙機関の静止衛星「アルテミス」との間でレーザー光による光通信実験を行うことを主な目的として開発された.「きらり」は,平成17年8月24日に打ち上げられ,同年12月9日に「アルテミス」との間で世界初となる双方向光衛星間通信実験に成功,光衛星間通信が実用的に利用可能であることを明らかにした.

ふくざわ みつのり
福 沢 充 孝 君 (正会員)
 1991年法政大学大学院システム工学科修士課程卒業.94年同博士課程単位取得退学.同年横河電機(株)入社.プロセス制御,プラント高度運転支援,エネルギー需要予測,最適スケジューリングなどの研究開発およびソフトウエアパッケージの設計/開発に従事.日本機械学会の会員.
おおはら けんいち
大 原 健 一 君 (正会員)
 1998年北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科情報処理学専攻修士課程修了.同年横河電機(株)に入社.地域冷暖房や原動力設備などのエネルギー供給プラントに対する最適運転アルゴリズム,プラントモデル構築手法の研究開発に従事.現在に至る.
おおたに てつや
大 谷 哲 也 君 (正会員)
 1983年大阪大学工学部産業機械工学科卒業.85年同大学院修士課程修了.同年横河電機(株)入社.プロセス制御,モデリング,非線形制御,大規模プラントシミュレータ,オンラインシミュレータ,エネルギー管理,画質検査,画像処理アルゴリズムなどの研究開発に従事.工学博士.
あべ ひろと
安 部 裕 人 君
 1987年山梨大学大学院工学研究科電気工学専攻修了.同年横河電機(株)入社.分散型監視制御システムのエンジニアリング,原動力プロセスシュミレータの開発などを経て,現在ファシリティ・マネジメント事業センター事業推進部にてエネルギーソリューション商品の企画,開発,拡販などに従事.
わたなべひさし
渡 辺   恒 君
 1978年東海大学工学部電気工学科卒業.同年(株)横河電機製作所(現 横河電機(株))に入社.アプリケーションソフト開発/エンジニアリング部門を経て,現在PIMS(Process Information Management System)の企画・マーケティングに従事.
よしかわ たかし
吉 川   隆 君
 1977年大阪工業大学電気工学科卒業.1980年(株)北辰電機製作所(現 横河電機(株))入社.監視制御システムのエンジニアリング,遠隔監視端末の設計開発などを経て,現在はソリューション事業部第2営業本部関西営業部にて全国のエネルギーソリューションの営業推進業務に従事.
受賞論文「エネルギー管理技術」
 温室効果ガス(CO2)削減の高い目標,さらに昨今の原油価格の高騰もあって企業では,省コスト/省エネルギー/環境負荷低減といったニーズが一層高まってきている.そこでわれわれはエネルギーを有効利用する管理技術を開発した.(1) 主成分回帰手法などのいくつかのアルゴリズムにより未来のエネルギー需要量を予測して,(2) 予測した需要と使用可能設備から数理計画手法を用いて最適な機器の発停をスケジュールする.また,(3) 長期間のロギングデータから設備の傾向を分析して,操業状態を判別する.これらの技術をEnemapというソフトウエア・パッケージにまとめた.さらに,汎用ソフトウエアをインターフェイスとするプラントモデル構築支援ツールを開発して,対象に合わせたエンジニアリングが簡便になるよう工夫した.これらのエネルギー管理技術を用いた原動力設備の自動制御により,大きな省エネ効果をもたらした事例を報告した.

せと かずと
背 戸 一 登 君(正会員)
 1962年日本大学理工学部機械工学科卒業,71年東京都立大学理工学研究科博士課程修了(工学博士),同年防衛大学校講師(機械工学教室),74年助教授,86年教授,93年日本大学教授(理工学部機械工学科),2006年日本大学定年退職,同年背戸振動制御研究所代表取締役,現在に至る.振動制御,フレキシブル構造物のモデリングと制御,制振構造の最適設計などの研究と教育に従事.日本機械学会名誉員,オーストラリア工学会フェロー.
受賞図書「構造物の振動制御(産業制御シリーズJ)」
 本書の狙いは広く一般的な構造物の振動制御に適用できる方法論の提供にあり,その特徴は無限の固有振動数を有するフレキシブル構造物から集中定数系モデルを作成して制御する「モデルベース振動制御法」にある.複雑な構造物の動的挙動を簡単なモデルで正確に表わすことができれば,確立されている制御理論と組み合わせることによってシミュレーション通りの振動制御が期待できる.このモデル作成法を「低次元化物理モデル作成法」と呼んでいる.物理座標上で集中定数系の質点が指定できるので,スピルオーバ防止のための構造的フィルタが実現できる.本書ではこの方法を土木構造物,建築構造物,機械構造物など具体的な構造物の振動制御に適用して読者の理解を深められるように工夫した.本書では,さらにパッシブ制振装置の設計法や構造物同士の相互反力を利用した「連結制御法」と呼ばれる振動制御法も提供し,実際の超高層ビルへの適用例も紹介している.

Jan M. MACIEJOWSKI 君  He is a Professor of Control Engineering in the Department of Engineering at the University of Cambridge, and currently Head of the Control Group. He is also a Fellow of Pembroke College, Cambridge. He graduated from Sussex University in 1971 with a B.Sc degree (first class) in Automatic Control, and from Cambridge University in 1978 with a Ph.D degree in Control Engineering. From 1971 to 1974 he was a Systems Engineer with Marconi Space and Defence Systems Ltd, working mostly on attitude control of spacecraft and high-altitude balloon platforms. He was President of the European Union Control Association from 2003 to 2005, and in 2002 he was President of the Institute of Measurement and Control. He is a Fellow of the IET and of the InstMC, and a Senior Member of the IEEE. He is also a "Distinguished Lecturer" of the IEEE Control Systems Society.
 His book "Multivariable Feedback Design" received the IFAC Control Engineering Textbook Prize in 1996. He has published about 100 journal and conference papers on control systems.
 His current research interests are in predictive control, its application to fault-tolerant control, in hybrid systems, in system identification, and in the control of autonomous systems.
あだち しゅういち
足 立 修 一 君(正会員)
 1981年慶應義塾大学工学部電気工学科卒業.86年同大学院工学研究科博士課程修了.工学博士.同年(株)東芝入社,総合研究所に勤務.90年宇都宮大学工学部電気電子工学科助教授,2002年同教授.93〜96年航空宇宙技術研究所客員研究官,03〜04年ケンブリッジ大学客員研究員.06年慶應義塾大学理工学部物理情報工学科教授,現在に至る.システム同定,制御工学などの教育と研究に従事.電気学会,日本機械学会,日本鉄鋼協会,システム制御情報学会,IEEEなどの会員.
かんの まさあき
管 野 政 明 君(正会員)
 1993年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻修士課程修了.同年いすゞ自動車(株)入社.2003年英国ケンブリッジ大学工学博士課程修了.同年ケンブリッジ大学工学部研究助手.05年科学技術振興機構,CREST研究員となり現在に至る.ロバスト制御理論,計算機代数システムの制御系解析・設計への応用,精度保証付き計算に関する研究に従事.PhD.日本機械学会,日本数式処理学会などの会員.
受賞図書「モデル予測制御−制約のもとでの最適制御−」
 本書は,制御の現場で誕生し,近年理論的検討も精力的に行われているモデル予測制御の基礎から最近の成果までを詳細に記述している.モデル予測制御の最大の特徴は,アクチュエータや制御出力などの制約を陽に考慮して最適制御系を設計できる点にある.ロバスト制御が周波数領域における古典制御の長所を継承したのに対して,モデル予測制御は現代制御の最適制御を継承している点が興味深い.モデル予測制御は各時刻において最適計算を行うため,サンプリング周期が長いプロセス制御の分野で発展してきた.しかし,計算機能力の急速な発展と最適化理論の進歩などのおかげで,最近では航空機や自動車産業のようなサンプリング周期の短いメカニカルシステムにも適用され始め,産業界でのニーズは非常に大きい.本書では,モデル予測制御の基本的な定式化,解法,安定性,チューニング,ロバスト予測制御,ケーススタディ,MPC製品など,モデル予測制御に関する詳細な情報が提供されている.しかも,古典制御,現代制御,ロバスト制御などとモデル予測制御の関係を理論的にきちんと与えている.

受賞製品「安全計装システム ProSafe-RS」
 安全計装システムはプロセスプラントにおいて,人身保護,環境保護あるいは設備保護を目的としたシステムで,緊急遮断装置や災害発生時の被害の拡大を防止する防消化装置などに適用されます.
 当社は機能安全規格(IEC61508,JIS C 0508)に適合した安全計装システムProSafe-RSを開発,2005年2月から国内外に発売を開始しました.
 当社ProSafe-RSの大きな特徴として,シングルシステムで安全度水準SIL3の認証を取得した高い安全性を実現するとともに,当社の統合生産制御システムCENTUM CS 3000(以下CS 3000)の実績のある冗長化技術により,稼働率の向上を達成し,安全性と高稼働率を両立しました.また,CS 3000とシステムを統合化することで,安全計装システムと生産制御システムの監視操作をCS 3000のヒューマンインターフェースステーション(HIS)上で一元化することができる特長をもっており,国内外のお客様から高い評価を頂いている製品です.
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