4.5 財務処理(風戸)

 財務会計関連の事務局の仕事内容を以下に示す。

会計担当業務内容(事務局会計担当者からの説明資料)

入出金業務
並木次長の押印を得た出金依頼票に対し、現金による支払い、又は銀行から該当者への振込による支払いを行う。
それぞれの支払いに対して支払伝票を作成→仕分帳に記入→元帳に転記する
b. 給与関係
職員の残業締め切り、パート社員給与締め切りは 10 日のため、 11 日に給与計算を行い、給与台帳に記入、各自へ配布する給与支払明細書を作成し、給与に関する入出金伝票を起こし、仕訳帳に記入→元帳に転記する 。賞与については支給月数を次長に確認し、上記とほぼ同様に処理
c. 業者への支払い
毎月 25 日に業者に対する支払いを行う。(平均 20 件)業者から送付される請求書に対して振込手続きを行い、支払伝票作成→仕訳帳に記入→元帳に転記する。

該当月分伝票の処理、元帳、仕訳帳に対する処理が終了後、貸借対照表を作成、会計報告を作成する
請求業務
学術講演会関係
講演原稿受付、請求、入金処理。
参加登録受付参加登録の受付、入力、請求、入金処理
会場での受付業務等
官庁関係
税務署
都税事務所
ハローワーク
社会保険事務所

問題点

これらの仕事内容の相互の関連は業務フローとしてまとめられる。詳細は付録 A1 に示す。業務は大きく分けると、「口座引落し」「入金処理」「出金処理」「伝票処理」「請求処理」からなる。これらの業務の概要とその問題、 対策案を表 4.5.1 にまとめた。

 ヒアリングした結果、業務の効率化以前の問題として、帳簿が全て手書きとなっており、年間予算約2億円を管理するには会計システムの導入が緊急の課題であることが浮かび上がった。会計システム導入により、転記・計算ミスを防げるばかりでなく、収支計算書をはじめとする財務指標を素早く作成し、戦略的・機動的に予算管理を行うことができるものと考える。

 会計処理の中で、非常に労力が掛かっているところは銀行口座入金(月平均250件)の仕分処理である。銀行口座への入金では郵便口座のように「通信欄」がないため、入金内容(振込者、何の費用か?)が大まかにしかわからず、月250件のうち2割はメールやはがきで内容の連絡があるが、残り8割はイベントの参加者リスト、請求書発行リスト等をもとに仕分けを行う必要がある。この作業を、イベント情報データベース等と連動する支援アプリケーションを準備できれば、全ては自動化できるものではないが省力化に大きく貢献するものと思われる。

 また、会計処理のなかで、間違いが発生しやすいのが請求書発行処理である。請求書発行リストが手書きノートであり、また消し込みもそのノートをベースにしている。これをデータベース化し検索・管理しやすくするとともに、上記の仕分処理でも利用できるようにする必要がある。


 他の、効率化アイテムとして給与ソフトの導入等が財務処理の効率化に寄与するものと考えられる。

 また現在財務処理は、会計担当の事務局員だけでなく、部門担当、会員担当の事務局員も関わっており、今後の事務局の体制にも関連するが、業務の分担をもう一度見直し効率化を図る必要がある。



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