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論文集コーナー


論文集抄録

〈Vol.33 No.5 (1997年5月)〉

論 文 集 (定 価) 1,743円 (税込み)

年間購読料 (会 員) 6,300円 (税込み)

  〃   (会員外) 8,820円 (税込み)


タイトル一覧


■ レーザ干渉式油マノメータによるゲージ圧力測定

計量研・植木正明,大岩 彰

 計量研究所では,1000Paまでの圧力領域の標準確立のために,真空油を作動液とし,液位差をレーザ干渉計で測定する標準マノメータの開発を進めている.この装置はU字管の油面を直接レーザ光の反射面としてヘテロダイン干渉計を構成し,装置の微小な変形や変位によって生じる液位差測定の誤差を2つのU字管と2つの干渉計を組み合わせた構造によって補償する.この装置により,高精度の液柱式マノメータを実現し,中・低真空領域の測定精度を大幅に向上させることが目標になる.

 本稿では,まずマノメータの測定原理とその特徴を示す.そして,マノメータ作動液の密度法の測定と,異なる環境下で保管された作動液の密度測定結果について述べる.これは油マノメータを,標準器として長期間,高い再現性を持つことを保証するために重要な事項である.つぎに,レーザ干渉式油マノメータをゲージ圧力測定に用いた際の算定式を示し,この式にある屈折率および高度差の補正について説明する.最後にレーザ干渉式油マノメータによるゲージ圧力測定の不確かさの評価結果について報告する.この結果,レーザ干渉式油マノメータによる1000Paまでのゲージ圧力測定の不確かさは1σのレベルで27ppm+0.5mPaと見積もられた.


■ Pulling Motionに準拠した凹形状触覚センシング

広島大・金子 真,東森 充,辻 敏夫

 本論文では,接触点センシング機能を有するプローブを用いて二次元凹対象物の形状検出を行うアルゴリズムを提案している.プローブを押し込む状態で対象物表面をなぞらせる場合,対象物表面にローカルな凹凸が存在するとプローブ先端で引っ掛りやスティックスリップが起こってしまう可能性がある.一方,引きずる場合においては,同様の条件下でもプローブ駆動系にコンプライアント要素を付加することによって,このような問題を容易に回避することができる.以上の点をふまえて,提案するアルゴリズムでは,はじめに局所最凹部点を検出し,続いてプローブを凹部の外側へ向かって引きずる状態でなぞり動作を実行する.また,必要に応じて未知領域内に必ず新たな接触点を検出する無限ループ回避処理を設けている.各動作を実行するため,本論文では,プローブが局所最凹部点に収束するための十分条件,およびなぞり動作が実現できるための十分条件を示し,あわせてシミュレーションおよび実験結果によりアルゴリズムの有効性を示す.


■ 流量計としての渦笛特性

法政大・佐藤浩志,渡辺嘉二郎,東京ガス・松原賢一

 渦笛は,簡単な3要素から構成される.渦笛からの発生音の周波数は,吹き込み量によって調整できる.その発生音と吹き込み量の関係は,広範囲において線形に比例するが,音の発生に伴う圧力損失が大きい.渦笛を流量計として利用するためには,圧力損失の問題を解決しなければならない.

 そこで,われわれはさまざまな構造の渦笛を作成し,発生音と流量,圧力損失と流量,発生音と構造,圧力損失と構造,発生音と温度の特性を調査した.実験結果より,圧力損失の実験モデルを構築し,流量計として渦笛を利用するため,圧力損失軽減の構造条件を明らかにした.さらに,家庭用ガス流量計として,6号メータの渦笛構造の一例を示した.


■ 1次および2次遅れ系のPID自動調整則

京大・熊本博光,坂本一郎,神戸製鋼・河端博昭

 PID制御は産業界で広く用いられており,オフラインでの調整法は古くから研究されている.制御対象が未知パラメータを含む場合には,制御器のオンラインでの調整が望ましく,最小2乗推定などに基づく手法も提案されているが,調整則の理論解析はあまり行われていない.関連する分野としては適応制御があるが,制御器の構造が異なるため,PIDの自動調整に用いることはできない.本論文は,未知パラメータを含む1次および2次遅れ制御対象に対して,PID調整則を導出し,その理論的側面を明らかにする.まず,適応制御と同様,規範モデルの導入により,PIDの定値ならびに追値制御を定式化する.続いて,リアプノフ関数から簡単な形の調整則を導出し,規範モデルと制御対象との出力誤差の零への収束性と,関連するパラメータならびに変数の有界性を証明し,PIDゲインのモデルマッチング真値への収束条件を与え,加法的外乱に対するロバスト性を明らかにする.計算機シミュレーションおよび実在の都市ごみ焼却プラントの温度制御実験により,提案した調整則の有効性を確認する.


■ 拡張2次形式リアプノフ関数による非線形システムのL2ゲイン解析―線形行列不等式による凸解析アプローチ―

早大・佐々木清吾,内田健康

 拡張2次形式リアプノフ関数V(x)=xTP(x)xを用いて,入力アフィン多項式型非線形システムの内部安定性およびL2ゲインの解析を行なう.まず,内部安定でかつ,ある正定数以下のL2ゲインをもつ条件を状態xに依存したリカッチ不等式として与える.つぎに,システムが多項式型の非線形性をもつことから,リカッチ不等式の解が,線形行列不等式を解くことによって状態xに関する多項式行列として与えられることを示す.また,上記の条件と併せて,内部安定領域の評価式を与える.

 2次形式リアプノフ関数V(x)=xTPxに比べ,拡張2次形式リアプノフ関数では,行列Pがxに依存しているために,より保守的でない解析結果を得ることが期待できる.リアプノフ関数として直接に非線形汎関数V(x)を扱うことも考えられるが,拡張2次形式リアプノフ関数は,線形2次形式問題の結果を自然に拡張した結果を得ることができる.さらにこの結果から,近年,有力な数値計算法が考えられた凸解析法への接近が可能となる.

 最後に,双線形システムを例にあげ,多項式解P(x)の次数,L2ゲインの上限,および内部安定となる領域との関係について考察し,本論文の解析手法の有効性を示す.


■ 次数未知の多入出力系に対する適応出力フィードバック制御系構成法

有明高専・高橋将徳,熊本大・水本郁朗,岩井善太

 現在までに提案されている適応制御手法の多くは,制御対象の次数が既知という仮定のもと,数学モデル化された制御対象の次数に依存した構造となっている.しかし,実プラントにおいては,プラント次数が正確に把握できる場合は少なく,プラント次数が既知という条件は非常に厳しい条件となっている.この点について,近年,プラント次数に依存しない適応制御手法がいくつか提案されている.これらの手法は,プラントがASPRのとき適応出力フィードバックにより制御系を設計する手法である.また,プラントのASPR性のもとでは,ハイゲインフィードバックにより外乱,寄生要素に対しロバストな制御系が構成可能であることも知られている.しかし,実プラントにとって,このASPR条件は厳しい制約条件となっている.この問題の解決策の1つとして,最近,Backstepping法による制御系設計手法を用いることにより,適応制御系設計においてASPR条件が緩和されることが示されている.ただ,その手法はこれまでのところ,1入出力系に対してのみ考察されており,多入出力系に対する考察はなされていない.


■ 複数マニピュレータの協調のための学習制御とModel-Based適応制御―操作物体の重心位置が未知の場合―

山口大・浪花智英,東大・有本 卓,山口大・和田憲造

 複数のマニピュレータが協調してある物体を操作する問題に対して,対象物体の重心位置が未知な場合にも有効な学習制御則とModel-Based適応制御則を提案する.提案した制御則は,操作される物体の運動と,内力と呼ばれる物体に加わる物体の運動に寄与しない力を制御することができる.

 まず,物体の任意に設定した参照点に関する運動方程式と複数マニピュレータの運動方程式をマニピュレータの関節座標系の上で結合して表現することで,協調制御の問題が1台のマニピュレータの手先が幾何学的な拘束を受けて運動する場合の関節角軌道と手先に生じる抗力の制御の問題に帰着できることを示す.また,この協調制御系全体のダイナミクスに対して受動性が成り立つことを示し,関節角速度と内力からくるトルクが直交することに基づいて学習制御則とModel-Based適応制御則を構成する.

 また2本の3リンクマニピュレータが協調して物体を操作する系のダイナミクスモデルを用いた計算機シミュレーションによって,提案した学習制御則と適応制御則の有効性を検証した.


■ 非ホロノミックチェインドシステムの過渡応答を考慮した指数安定化

京大・井村順一,小林啓吾,吉川恒夫

 本論文においては,非ホロノミックシステムの1つの正準系であるチェインド形式で表現される非ホロノミックシステムの安定化問題を扱う.たとえば,混み入った場所における車両の縦列駐車のように他物体と接触しないように駐車する場合,目標位置に到達するまでの軌道も制御すべき重要な仕様である.そこで本論文では指数関数的に収束する目標軌道のあるクラスを考え,それに属する1つの目標軌道に状態を指数関数的に収束させる制御則を提案する.これにより最終目標点に対する指数安定化と望ましい過渡応答の指定という2つの設計仕様を同時に解くことができる.また目標軌道の生成方法として,複数の目標点とそれらの点を通過する時間を指定する手法を提案する.すなわち与えられた初期状態と複数の目標点を通り,実際に追従することのできる目標軌道の解析的な生成手法を提案する.最後に4輪車系にこの手法を適用する.4輪車のすべての状態を1つのチェインド形式で表わすことはできないので,大域的な安定化を行うためには座標系を切り替えながら制御を行う必要がある.そこで必要に応じて座標系を回転させながら制御する手法について提案する.また数値シミュレーションによって提案する手法の有効性を検討する.


■ Sampled-Data Balanced Truncation and Its Application to Low Order Digital Controller Design

Tokyo Institute of Technology・Krit CHONGSRIDand Shinji HARA

   In this paper, we propose a new balancing coordinate for the continuous-time system embedded in a sampled-data system which is a natural extension of the frequency weighted balanced realization of the continuous-time system to incorporate hybrid input and output weights. We show that the matrix which transforms the coordinate of the continuous-time system to the balanced coordinate can be calculated from the weighted controllability grammian and the weighted observability grammian. We then apply the new balanced truncation method to the problem of plant reduction for sampled-data systems, and an algorithm is proposed for obtaining a low order discrete-time controller by plant reduction based on a successive approximation. A numerical example illustrates the advantage of the proposed method.


■ パラメータ依存マルチプライアを用いた構造化特異値μの上界

京大・陳  幹,杉江俊治

 構造化特異値μは構造的不確かさを持つシステムに対する安定解析,補償器の設計などに有効である.しかし,その真の値を計算することは困難であり,一般的にはその上限値が代用されている.現在広く用いられているμの上限値はFanらが提案したもので,制御系CADなどにも実装されているが,最近マルチプライアに基づく方法や,LFTスケーリングに基づく方法で保守性の少ない新たな上限値が提案されている.

 本論文ではパラメータ依存リアプノフ関数を構成する手法をマルチプライアに適用することでこれらの結果よりさらに保守性の少ない新たなμの上限値を提案する.さらに数値例によってその有効性を検証する.


■ 拡張カルマンフィルタを用いた自動車エンジン制御のための筒内吸気量推定

東大・西馬功泰,二木 一,木村英紀

 最近,自動車の排ガス・燃費規制が一層強化される傾向にあり,空燃比制御の高性能化が大きな課題となっている.今日の電子制御燃料噴射システムにおいて,空燃比の精密制御を実現するためには筒内吸入空気量を的確に把握する必要がある.

 現在では,定常運転時における吸気量の実験データを記録したテーブルを検索する方法が多く用いられている.しかしこの方法では,テーブルデータがデータ作成時のエンジン特性に依存するため,経年変化によって生じるエンジンの特性の変化などには対応することができないうえに,定常運転時のデータをもとに作成されていることから,過渡期における精度に限界がある.また,エンジンの種類に応じてテーブルを作ることは手間とコストがかかる.

 そこで本論文では,テーブルを用いる代わりに,吸気系の物理モデルと非線形システムの推定理論にもとづく方法を提案する.本方法は,噴射が吸気に先行せざるをえない電子制御の基本的な制約から必要とされる吸気量の予測にも適している.本方法で得られた結果を商用車で用いられているテーブルにもとづく予測結果と比較し,十分な精度が得られていることを確認した.


■ 自動採譜のためのGAを用いた混合音推定法

慶大・小野徹太郎・斎藤英雄,小沢慎治

 音楽音響信号からその楽譜を作る自動採譜において,混在する複数の音を個別に認識すること,すなわち音源分離は重要なタスクの1つである.本論文では,新しい音源分離の一手法として,GAおよびHill-climbingを用いた方法を提案する.これは,楽譜のスペクトログラムをあらかじめテンプレートとして蓄積しておき,それらを音量,発音時刻のずれなどのパラメータセットにより合成したものと,入力音響信号のスペクトログラムのユークリッド距離が最小となるようなパラメータセットを推定し,それを音源分離の結果とするものである.本手法は,パラメータセットの組合せ最適化を,GAとHill-climbingによって行うことで,従来法と比較して,計算量を大幅に減らすことができた.


■ 機械の自己組立てと自己修復

機械技研・村田 智,富田康治,黒河治久,小鍛治 繁

 均質な構造を持つ分散機械システムのための自己組立ておよび自己修復アルゴリズムを提案する.互いの結合関係を動的に変化させることのできるユニットを考え,このユニットを多数使用して分散機械システムを構築する.各ユニットにはマイクロプロセッサが搭載されており,隣り合うプロセッサ間では通信が可能であるとする.本論文では,ランダムな初期形状をもったユニット群が,互いに協調しながら与えられた目標形状に変形するといういわゆる「自己組立て」問題を考え,これを均質な構造を持つアルゴリズムによって実現した.また,このアルゴリズムを拡張して,システムの任意の部分の欠損を自動的に修復する「自己修復」アルゴリズムを開発し,その妥当性を計算機実験により確認した.


■ 冗長マニピュレータの故障適応的自律分散的制御アルゴリズム

通信総研・木村真一,高橋正人,奥山利幸,宇宙開発事業団・土屋 茂,鈴木良昭

 宇宙ロボットにおいて,制御系の計算能力がきわめて限られた状況で,その部分的な故障に自律的に適応してゆく能力は,今後積極的に考えてゆくべき問題であると思われる.このような故障への自律的な適応について,本論文では,自律分散的な制御方法を,冗長マニピュレータに対し応用することで,限られた制御系の計算能力を活用して,その部分的な故障に自律的に適応してゆく新しい制御方法を提案している.

 このアルゴリズムでは,各関節ごとに制御計算機を配置し,それぞれが独立に故障等の条件とは無関係に非常に単純な逆運動学アルゴリズムにより逆運動学の解の候補を計算し,それらの候補の中から動作を行う中で,ある選択基準にてらして適切と思われるものをリアルタアイムに選択するという方法をその骨格としている.

 その結果,10関節20自由度マニピュレータの手先位置の目標点への移動作業において,その半数の5関節までが同時に固着した状況でも,なお,90%以上の高い作業達成率を実現できることが示された.このように本制御アルゴリズムは,部分的な故障に対して修復が困難で,かつ,許容される計算機能力が限られている宇宙用超冗長マニピュレータの利用に対し,特に有効であると考えられる.


■ Structural Analysis of Fault-Tolerance for Homogeneous Systems

The University of Tokyo・Reiko TANAKA,Osaka University・Satoru IWATA, The University of Tokyo・Seiichi SHIN

   This paper investigates fault-tolerance of homogeneous systems that consist of a number of identical subsystems. In order to retain the fault-tolerance of large-scale systems, not only, the reliability of each component, but also the design of a whole system counts for much. We carried out quantitative evaluation of fault-tolerance in terms of autonomous controllability for systems with different structures. The failure patterns to cause the systems to be uncontrollable can be found merely by structural information. In consequence of this investigation, we focused our attention on symmetrical structures of the systems, and applied group representation theory to our analysis.


■ エアクッションを用いた振動軽減の動作実験

防衛庁・下井信浩,古賀修一郎,伊藤幸二,飯高不二男,篠田芳明

 現在使用されている地下埋設用センサの中には,マイクロ波パルスセンサ,FM-CWセンサ,CWセンサ等のレーダー方式のセンサおよび磁気センサ等が存在する.

 しかし,これらのセンサは,キャスタまたはタイヤ等の搭載装置による運搬および埋設物探査を実施するために地表面の地形状態による振動等が探査性能に著しく影響する原因となる.また,埋設課化財および災害等で破損されたガス管や危険物の探査に用いる場合は,地表面に接地圧としてセンサおよび搭載機構の全重量を負荷させながら振動を加える問題点が存在する.

 本論文では,このような問題点を克服するための一手段として,エアクッション方式によるセンサ搭載機構を使用することにより,地表面と埋設物探査センサの角度およびアンテナの高度を一定に保つことが可能である.また,振動によるノイズから探査信号の低下を防ぐことにも有効である.

 本方式の有効性は基礎的な実験により検証され,埋設物探査における高度保持特性および振動特性について検討した結果を述べる.


■ Stability Condition of State-Delayed Systems Based on Stability-Guaranteed Discretization

he University of Tokyo・Young Soo SUH and Seiichi SHIN

   This paper is concerned with a new delay-dependent stability condition for state-delayed systems. This stability condition is based on discretization of the infinite-dimensional kernels of state-delayed systems. The discretized system of a state-delay system is not finite demensional; thus the stability condition cannot be derived by simple discretization. In this paper, the discretized system is divided into a finite-dimensional part and an error part. The stability condition is derived based on the finite-dimensional part explicitly taking account of the error part. The lifting technique that is used in sampled-data control is used to derive the stability condition. The stability condition is given in the form of an H∞ norm test for discrete-time systems. The stability condition is shown to converge to the exact stability condition as the order of discretization approaches infinity.


■ Offset Compensation Method Using Photoelectric Switches for Positioning Control System

NTT・Naoyuki TAMARU, Joji YAMAGUCHI,Yasuhide NISHIDA and Fumikazu OHIRA

   An offset compensation method using reflectiontype photoelectric switches is studied with the aim of achieving a low-cost and highly accurate positioning control system. This system uses an open-loop control type robotic mechanism consisting of pulse motors and ball screws to reduce the cost. To make an optical connection in an automated optical cross-connect switching system, the robot must position optical fiber plugs at desired positions. The “on” region of the photoelectric switches is determined by scanning the plug grasped by the robot hand in front of the photoelectric switches. Offset compensation is achieved by calculating the difference between the initial position of the center of the region and the newly measured value. Experimental results show that the repetition error of the offset detection is less than 5  μm (about 0.1% of the control position pitch) and the position variation of the center of the “on” region is less than 30 μm when the distance between the switch and the plug is 0.1-1.0 mm. The feasibility of this compensation method using photoelectric switches was confirmed by installing it into the automated optical cross-connect switching system.


■ 神経振動子と遺伝的アルゴリズムを用いた実2足歩行類似運動の生成

慶大・長谷和徳,山崎信寿

 2足歩行運動の自律的発生手法を歩行障害の回復予測や化石人類の運動復元に応用するために,実際の身体形態に類似する神経筋骨格モデルを開発した.筋骨格系は足,下腿,大腿,上肢,体幹の左右合計9節の矢状面2次元リンクと,腰部での相対回旋運動を表わす.2節の水平面2次元リンク,およびこれらを駆動する24筋からなる.また,神経系は14の神経振動子によるリズム発生回路網で表わし,そのパラメータ値を遺伝的アルゴリズムで探索した.歩行は多重振子としての筋骨格系のリズムとパラメータ探索によって調整された神経回路網のリズムとの非線形引き込み現象により自律的に発生される.探索のための適応度は,歩行不能な初期段階では移動距離と歩数で定義し,それによって持続歩行が可能になった後はモデルの歩行と実際の歩行との運転力学的類似性で定義した.ヒトの体形条件で発生させた歩行は実際の歩行とほぼ一致し,提案した神経筋骨格モデルの妥当性が確認された.形態条件からの運動予測の例として子供と類人猿の体形を用い,適応度を移動仕事率に変えて運動発生を行った結果,それぞれの実歩行に類似する歩行が生成されることがわかった.


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