第42回パターン計測部会研究会 発表論文
- 「非校正カメラによる撮影した画像の幾何学的歪補正と画像合成」
リコー ○ 関 海克 青木 伸 江尻 公一
カメラによる撮影した画像にレンズの収差による幾何学的歪が生じて
しまい、画像計測や画像合成などを行う際に問題がしばしば生じてしま
う。そこで、我々は複数枚の画像の対応点座標を利用することで画像の
幾何学的歪を補正する方法を提案する。これによって個々の画像の歪を
補正することが出来、さらに、これら補正された画像を、撮影者を中心
とする球面上に投影することにより、複数の画像を歪なく合成する方法
を開発した。デジタルカメラによる実験を行うことで、本歪補正法が1
画素以下の補正精度が得られることを示し、画質の良い画像を合成した。
- 「球面画像データ構造を用いた全方位画像処理」
九州大学 ○ 木室義彦
仮想的にカメラ画角を全方向(4π)とした場合、これにより獲得さ
れる画像の形状は球面となる。この球面画像を従来の画像処理と同様に
処理するための2次元配列による記述法を示す。さらに、この球面画像
を用いた全方位画像処理アルゴリズム、および実時間で動作する球面
(全方位)画像撮像装置について報告する。
- 「発汗サーマルマネキンTOM III号」
東洋紡総合研究所 ○原田 隆司
衣服の快適性の主要因の一つである衣服内気候を研究する装置である
発汗サーマルマネキンについて説明する。
- 「見えない傷を見つける − 非破壊検査のはなし」
リコー ○尾上 守夫
非破壊検査は放射線や超音波を使って物体内部の欠陥を検知する技術
であって、製品の品質保証、プラントの安全性や環境の保全に貢献し
てきた。医学でいえば無侵襲計測にあたる。歴史的にはX線の場合は両
者同時であり、超音波の場合はむしろ前者が先行したにもかかわらず、
最近のパターン計測や認識技術の応用は医学分野に学ぶべき点が少なく
ない。それらについて論じ、立木CTなどにもふれたい。
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