第2回パターン計測シンポジウム
「人間を測る,人間のように測る」
- 日時:10月30日(木) 13:30〜17:30
10月31日(金) 8:50〜12:00
- 会場:富士通ヴィラ伊豆
プログラム
(1) 音声における感情情報の計測と Cyber Shopping への応用
○森山 剛,小沢 慎治(慶應義塾大学)
本研究では,ユーザがインターネット上の仮想商店でショッピング(Cyber
Shopping)を行う場面で,音声インタフェースを介して感情のインタラクショ
ンを行うことで,より効率的な商品の検索が可能なシステムを提案する。
商店側のサーバでは,提示された商品に対してユーザが発した音声の物理量を
計測し,商品への心理的評価量へ変換する.そこから商品画像の次候補を決定
すると共に,商品に適した音声ガイドを合成し,商品画像およびガイド音声を
再びユーザに提示する。ユーザは自分の気に入った商品が提示されるまで評価
することを繰り返す。
(2) フラクタル幾何学に基づく型紙からの衣服形状生成
○早川晃源,田中弘美(立命館大学),坂口嘉之,原田隆司(東洋紡)
自然界の物体を表現する方法に、CGの分野ではフラクタル技法が活用され
ている。本研究ではこの技法の1つであるコッホ曲線を応用し、人体の形状に
フィットした衣服のドレープを表現する手法を提案する。また、この手法をフ
レアスカートに適用させ、実際のスカート形状と比較し、本手法の有効性を確
かめる。
(3)移動光源を利用した自動車ボディの塗装欠陥の自動検出
○石井 明(電気通信大学),小野 勝一(スズキ)
自動車ボディの代表的な塗装欠陥であるブツおよびハジキを効率的に検出する
ために、線状の移動光源を利用したアクティブな欠陥検出手法を提案している。
そして、欠陥検出能に対する塗装の種類、欠陥形状ならびに照明角度の影響に
ついて実験的検討が行われている。
(4)連想記憶を応用した仕分けシステム
○黒宮 明,加藤 輝政(名古屋市工業研究所),
大西 昇(名古屋大学),杉江 昇(名城大学)
多種類の形状を連想記憶を応用して識別するシステムを提案する。位置、向き
が固定されておらず、重なりあって置かれたような乱雑な配置のもとで機械部
品を画像入力し、その局所特徴を抽出したのち、連想記憶に入力し、記憶され
ているパターンを分離抽出する。記憶できた形状、パターン数、前処理、連想
誤りとその対策、認識率、ハンドリングなどについて報告する。
(5)似顔絵生成のための表情の動的特徴の計測と利用
○冨永 将史,林 純一郎,村上 和人,輿水 大和(中京大学)
表情の表出過程の中にその人物の個人性特徴があることはよく知られている。
本稿では、人物の動作やしぐさ、表情のクセといった動きの個人性特徴を反映
させた似顔絵生成法について提案する。時間軸方向への誇張は、一連の連続画
像(動画像)における空間軸方向への誇張法(中割り法)を拡張することで実
現した。本稿では、笑顔の表情変化を盛り込んだ似顔絵を例に説明する。
(6)人体計測情報共有化のための医学的提言
○南雲 吉則(ナグモクリニック)
人体計測は、計測器、計測点、計測項目を一定にすることにより、個体識別と
身体特徴抽出を行う。しかし、各分野間で計測法・関心領域が異なるため情報
の互換性に欠ける。近年の非接触三次元計測法は全体表データを測定後、分野
別の目的に沿って情報採取ができるため、情報の共有・集学的アプローチが可
能となった。今回は医学的見地から、計測とその解析法に関する提言を行いた
い。
第2日目 10月26日(金)
(7) 顔の物理モデルと計測への応用
○青木 義満,橋本 周司(早稲田大学)
表情は顔面筋の収縮と骨格の運動といった物理的要因によって生成されてい
る。我々はCTの形状データを基に、骨格・筋肉・皮膚の3層からなる顔の物理
モデルを作成した。このモデルは、ばねで表された弾性体の皮膚・筋肉と、剛
体の骨格から構成され、ばねの収縮と骨格の運動によってより生体に近い表情
生成機構を再現している。現在、表情生成実験を通して、筋肉の収縮の程度等
の顔の内部状態の計測を試みている。
(8) 目と口領域抽出による顔の向き推定
○本郷 仁志(三洋電機),村田 彰(岐阜大学),山本 和彦(岐阜大学)
人間の顔の向きを推定するために、環境の変化に強い、目、口領域の抽出方法
を提案する。入力画像からサンプリングされた色相ヒストグラムから肌色領域
を動的に決定し、自動更新を行う4方向面特徴テンプレートマッチングにより
目、口領域の抽出を行う。本稿では、本手法による実験およびその結果につい
て報告する。
(9) 肌のスペクトル計測と肌らしさの生成
○眞鍋 佳嗣,中井 久史,井口 征士(大阪大学)
本研究では,人の肌のスペクトル分布を得てそれを解析し,この結果を生か
してモデルを構築し肌らしさの生成を試みる。解析には,男女および部位毎に
スペクトル分布を計測し,多変量解析を用いて特徴の抽出を行う.さらに皮膚
内部での光の散乱・吸収,多重反射に注目して,人の肌を表現するモデルを構
築し表現を行う。
(10) 点の対応に基づく人体形状の類似度尺度
○川端 章裕,津田 宏治,美濃 導彦(京都大学)
二つのモデル間での点の対応に基づく、人体形状モデルの類似度尺度を提案
する。二つのモデル上に均等に同数の点をとり、モデル間で点の対応づけを行
い、点の間の距離の差を用いて類似度を定義する。本手法は、モデル上の点集
合によって形状を表現するので、人体のような類似した形状どうしの細かな比
較に適している。
(11) 人間動作の動画像解析
○山本正信(新潟大学)
動画像を利用すれば、人体に直接触れずに動作を測定することができる。単
眼動画像 や多視点動画像上で人間を追跡し動作の定量化の手法を示す。定量
化された動作の利 用例として、動作の認識や感性情報処理、コンピュータア
ニメーション等への応用について述べる。
発表論文一覧のページへ・
パターン計測部会のページへ