特別講演のおしらせ:
講師 | 独立行政法人大学評価・学位授与機構研究開発部教授 土屋 俊 先生 プロフィール |
演題 | 人工知能の倫理(仮題) |
日時 | 2012年3月15日(木) 13時〜14時 |
概要 | これからの社会は,人間エージェントと人工機械エージェントが混ざって構成 することになるであろう。しかしわれわれはすでに動物にまで倫理的配慮を広 げているので,ほとんどの動物よりはあきらかに賢そうにみえる人工機械エー ジェントにも倫理的配慮を施さなければなるだけでなく,人工機械エージェン トが人間エージェントと同様の倫理的な態度でその社会を構成することを期待 して不思議ではない。倫理的な態度とは,一定の原則に基づいて自分の行動を 決定することであり,多くの場合,それは複数の選択肢からひとつを選ぶこと を意味する。われわれは,なぜその選択肢を選んだかと問われると,理由を述 べて説明するが,その理由のなかには,「そうすべきであったから」「そちら のほうがよいことだから」というものがあり,これらの理由は,かならずしも その人の快楽を最大にするように思われないことがある。また「よく考えてみ たら結局そうしたほうがよいだろう」というような判断をすることもあり,こ れでは説明にはならないだろう。しかし,人工のエージェントがわれわれとと もに暮したいならば,彼らにもこういうふうに考えてもらわないといけなのか もしれない。となると,われわれのこういう判断がどうなっているかを教えな ければならないが,今,それのためには何が必要で,どうすれば十分なのでだ ろうか。いや,彼らの考え方にわれわれのそれをあわせる方が簡単なのだろう か。この講演では,後者のほうが容易であることを示しつつ,前者のための方 法の開発が重要であることを主張する。 |
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