計測自動制御学会 ライフエンジニアリング部門 SICE Division of Life Engineering 生体・生理工学部会 Technical Committee on Biological and Physiological Engineering |
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生体は並列・分散・階層・拮抗構造をもつ多変数システムであり適応・学習・自己組織化・増殖等々限りなく多種高度な機能を有している。そして最近のエレクトロニクスバイオテクノロジーの著しい発展は生体研究の分野を遺伝子・分子レベルの微細構造から脳を中心とする高次情報処理に至るまでの膨大な領域に拡大しより一層複雑で多様な機能の解明を要請してきている。
このような状況にあっては従来の分析的・局所的手法とは異なる視点が必要である。生体の制御・情報機構に着目したシステム工学的アプローチすなわち生体のメカニズムを支える数理的原理を追及する立場からの研究が極めて重要になってくる。
もちろん生体には今日の工学理論によって表現されるシステムよりもはるかに高度な機能が既に創造され営まれている。従って単に理論を援用するだけでは生体システムの動的機能のすべてを明かにすることは不可能である。逆にこうした研究を通して新しい工学理論・概念の芽を見いだし創り上げていかねばならない。
他方本部会の良さは分野を区別せず横断的に活動できる点にある。本部会が生体情報の新しい計測・処理法の開発および制御・システム理論情報理論による生体システムの数理工学的解析という独自の立場から生体に対して特色のあるアプローチをすることは十分に可能である。
以上の点から本部会では生体・生理システムについて十分時間をかけまとまった議論のできる場を提供し生体に関する新たな知見の獲得とその応用開拓に寄与することを目的とする。
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