SICE Annual Conference 2005 in Okayama:
オーガナイズド・セッション


ここはSICE2005(8月8日-10日岡山大学)で開催されたオーガナイズドセッションの発表内容を紹介する ページです。著者および所属会社のご好意により、発表に使用された PowerPoint を PDF ファイルで参照できます。 (守秘義務等により一部内容が抜けている場合もございます。また印刷ができないようになっています。ご了承下さい) 個人で参照する以外のご使用についてはご遠慮いただくか、または著者と直接ご相談下さい。


2005年8月8日から3日間開催され、主催校の岡山大学、実行委員会を中心とする努力が実り大成功でした。 この中で、初日に行われた産業応用部門の2つの部会の企画による計測・制御技術の産業応用に関する オーガナイズド・セッション(OS)は、これまでにない特徴を持つもので、 SICEでの産学連携の今後のあり方を示唆するものでした。

独立していた二つのOSが連携しました この数年エンドユーザでの計測・制御技術の実際的な活用の観点から積極的に活動している 計装技術交流部会および計測制御エンジニア会と計測・制御ネットワーク部会が、それぞれ、計測制御エンジニア、 制御システムをテーマとするOSを計画していました。両テーマは、代表的な技術・製品とそのエンジニアという 不即不離の関係にあることから、共通の委員を中心に連携を模索しました。同時に、日本電気計測器工業会(JEMIMA) および教育・認定委員会/計測制御エンジニアWGとの共同作業も検討しました。 その結果、@同じ開催日・部屋で連続して行い、相互に参加者の勧誘を行うこと A終了後、エンドユーザを含む日本語による パネル討論を行うこと B産業応用の関係者に呼びかけ合同懇談会を開くこと、が合意されたのです。

MA2-17: Activities of SICE Instrument and Control Engineers
(オーガナイザ: 計測制御エンジニアWG 新 主査、司会: 企画チーム 青島リーダ )

 毎年開催される恒例のOSですが、今年の特徴は、実際的な応用システムでの技術的課題を克服した開発・実装事例が 報告されたことです。超音波計測におけるエコー混入、非定常ガス流によるオリフィス流量計での誤差、 上下水道のインバータ駆動ポンプの消費電力最適化、プロセス警報の削減およびバッチ反応炉の熱伝達など、 実プロセスできわめて重要な問題が討議されました。 これらは、技術的な有効性だけでなく、計測制御エンジニア資格試験での技術者経験論文テーマにもふさわしく、 計測・制御技術の産業応用に携わるすべての人に役立つもので、質疑も活発で聴講者からの評価の高いものでした。

MP1/2-17: Recent Developments on Control Systems for Industrial Automation Applications
(オーガナイザ: 計測制御ネットワーク部会 島貫副主査)

SICE Annual Conferenceでは、初めての制御システムのエンドユーザでの適用に焦点をあてたOSとなりました。 また、JEMIMAのPA・FA計測制御委員会との共同企画も産学連携の具体的なかたちとして、初めてのことでした。 冒頭チュートリアル(新 誠一氏(東京大学))で近未来の技術についての大胆な仮説と見通しが提案され、制御シス テムの神経系としてのインタフェースに関する3つの最先端技術報告論文と制御システムの3つの典型類型 (アドバンストDCS、バッチ制御システム、ネットワーク形制御システム)の最新技術開発に関する論文が発表されました。 最後の招待講演(Goh Yong Keng 氏(Schering-Plough社シンガポール))では、連続、バッチ、離散プロセスが混在する 薬品製造工程へのDCS適用事例をモデルにしてエンドユーザからの期待が述べられました。 2010年に向けた制御システムの包括的な展望を知ることができ、発表者・聴講者にとって得難い機会となりました。 OS終了後、SICE永島副会長とともに

パネル討論 「エンドユーザサイトにおける生産システムの2010年の姿」 (司会: 産業応用部門 新 運営委員)

エンドユーザパネルとして、SICE中国支部で活躍されている橋本芳夫氏(トクヤマ)からの「今後の生産・操業システムのあるべき姿」 をはじめ、生産現場での技術課題の提起がありました。これを受けて、実際的な操業ノウハウの継承のための運転支援と運転訓練、 セキュリティあるプラント管理の新技術について活発な討論が行われました。

今後に向けて

このOSシリーズは、参加者が50名を超える盛況でした。また、同日夕方からの岡山市内のホテルでの合同懇談会には、 OS関係者だけでなく、ユーザ、ベンダ、大学の計測・制御の未来に期待する若手からベテランまで30名以上が一堂に会して、 大いに将来の夢を語り合いました。この一連の催しで醸成された未来への展望観(感)を今後の企画への財産にしたいものと 実感しています。

(計測・制御ネットワーク部会:高柳 洋一(東芝))
(JEMIMA PA・FA計測制御委員会:島貫 洋(東芝))