平成13年度計測自動制御学会関西支部講習会

「カラーマネージメントシステムのための測色技術の基礎とその応用」
- いい色再現でeコマースを -
様々なメディアにおいて色はインタフェースとしての重要な役割を担っている。色を設計するには色を測り、再現する技術が必要である。しかし、テレビ、写真、印刷などの画像の色再現はそれぞれ独自の設計によりなされている。画像のディジタル化は画像の扱いを容易にしてきたが、異なるメディア間での画像情報、特に色情報の伝達は必ずしも統一したシステムではなされていない。異なる画像メディア間を統合するシステムはカラーマネージメントシステムと言われている。これを構築するには、色はどのように見えるかを知らなければならないし、また、テレビ、写真、印刷などにおける色の表現法の違いも理解しなければならない。また、インターネットを使ったビジネスでは表示色の違いがトラブルの原因になることもあるように、eコマースを快適に行うには色再現技術に関する知識が求められる時代に突入していると言えよう。
本講習会では、色再現に関する人の基本的な色感覚特性とそれを考慮した個々のメディアでの測色・色再現法の基礎とその応用、ならびに、異なるメディア間の色再現に関する国際標準化の動向について紹介する。

日 時 
平成13年6月8日(金) 9:30〜16:30

会 場 
キャンパスプラザ京都 第1会議室
〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る 電話(075)353-9100 
詳細は http://www.consortium.or.jpをご覧下さい.

交 通 
JR京都駅より徒歩3分


プ ロ グ ラ ム
  9:30〜
9:40
挨 拶      計測自動制御学会関西支部 支部長 柴田  浩
講 演 9:40〜
10:40
色を伝える 電子技術総合研究所 側垣 博明 氏
10:50〜
11:50
測色技術とカラーマネージメントシステム 大阪電気通信大学 富永 昌治 氏
13:00〜
14:00
CRTディスプレイの測色と色再現 広島工業大学 井上 正之 氏
14:00〜
15:00
印刷機械側からフィードバックするカラーマネージメント ハイデルベルグジャパン(株) 宮辻 泰彦 氏
15:30〜
16:30
メディア間の色再現の現状と
カラーマネージメントの国際標準化
千葉大学 矢口 博久 氏

主 催 計測自動制御学会 関西支部( http://www.sice.or.jp/org/kansai/
協 賛 応用物理学会、化学工学会、情報処理学会、照明学会、精密工学会、映像情報メディア学会、電気学会、電子情報通信学会、日本エム・イー学会、日本機械学会、日本航空宇宙学会、日本電気計測器工業会、 電子情報技術産業協会、 日本人間工学会、自動車技術会、日本色彩学会(以上関西支部)、 日本建築学会、日本化学会(以上近畿支部)、 関西造船協会、高分子学会、システム制御情報学会、日本神経回路学会、人工知能学会、センシング技術応用研究会、日本オペレーションズリサーチ学会、日本原子力学会、日本ロボット工業会、日本神経科学学会、日本心理学会、日本分子生物学会、日本生物物理学会、日本電気制御機器工業会、日本認知科学会、日本ヒューマン・ロボティクス研究会、日本ファジィ学会、日本物理学会、日本リモートセンシング学会、日本ロボット学会、バイオメカニズム学会、レーザー学会、日本放射光学会、 日本結晶学会、日本鉄鋼協会、日本医用画像工学会、可視化情報学会、 応用物理学会分科会 日本光学会、 日本金属学会、粉体工学会、日本粉体工業技術協会、日本薬学会、日本薬剤学会、製剤機械技術研究会、日本画像学会(順不同


テキスト販売 一部 3,000円 (送料込)
申込先 〒606-8585 京都市左京区松ヶ崎
京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科
先端ファイブロ科学専攻 森本一成
E-mail: morix@dj.kit.ac.jp
支払方法 下記宛に銀行振込をお願いいたします.
京都銀行下鴨支店(店番142) 普通口座 3156292
口座名義 (社)計測自動制御学会関西支部



各講演の概要および講師略歴

色を伝える

電子技術総合研究所 側垣博明 氏

講演内容:
最近WWW上では、ユーザが画面を見ながら直接メーカあるいは販売業者と やりとりする状況が増大している。この状況は両者にとって単純明解である。 しかし、画面上で見た色と現物の色が一致していないと云う苦情も聞かれる。 如何にして、双方向に色情報を正しく伝えるかについて、 最近の国際的な動きを交えて、問題解決への一つの道を紹介する。
講師略歴:
1962年通産省工業技術院電気試験所、現電子技術総合研究所入所。 色彩感覚数量化、特に色順応および色知覚の実験的研究に従事。工学博士。 国際照明委員会(CIE)のTC 1-32 (色順応)、TC 1-34 (色知覚モデル)および TC 1-52 (色順応式)の委員。日本色彩学会理事および日本色彩学会関西支部長。

測色技術とカラーマネージメントシステム

大阪電気通信大学 富永昌治 氏

講演内容:
近年、カラー画像デバイスの普及と品質向上はめざましく、 従来の測色や色再現の概念が大きく塗り替えられようとしている。 これはまさしくITによるものである。本講義では、 色彩およびカラー画像を計測して、これを伝達・表示する際に重要となる 知識と技法を述べる。カラーマッチングと測色、カラー(分光)カメラ、 色再現と色管理等を展開する。
講師略歴:
昭和45年大阪大学基礎工学部電気工学科卒業。昭和50年同大学院博士課程修了。 工学博士。工技院電子技術総合研究所大阪支所を経て、 昭和51年大阪電気通信大学工学部講師。現在、総合情報学部教授。 色彩情報処理、コンピュータカラービジョン、画像処理などの研究に従事。 色覚や計算視覚に興味をもつ。

CRTディスプレイの測色と色再現

広島工業大学 井上正之 氏

講演内容:
CRT上での再現色が、実物の色と一致しないという問題は、CRTを見ている環境の 光源色と実物を見ている光源色が一致していないことによる場合が多い。 本講演では標準光源及び通常光源の下で、色票及びCRT上でのその再現色を 実際に測色したデータに基づいて、CRTの色補正を行いカラーマッチングを 行う方法について解説する。
講師略歴:
昭和45年神戸大学工学部電気工学科卒業。昭和47年同大学院修士課程修了。 NTT電気通信研究所、ATR知能映像通信研究所を経て、平成12年 広島工業大学工学部教授。ATR客員研究員。工学博士。映像通信系の画像品質、 伝送基準、カラー画像の自然さ再現、感性情報処理の研究に従事。 日本色彩学会関西支部役員。映像情報メディア学会編集企画幹事。

印刷機械側からフィードバックするカラーマネージメント

ハイデルベルグジャパン(株) 宮辻泰彦 氏

講演内容:
カラーマネジメントは、“始めに校正刷り有り”の考え方から、 印刷の再現領域と機械の再現領域を見直すところに変わってきた。 本講演では、オフセット印刷機の色再現について、 製版から印刷までの共通の物差し(コントロールストリップ)を中心に解説する。
講師略歴:
昭和47年 印刷機械貿易(株)[現ハイデルベルグジャパン(株)]入社。 以来、プレスマンスクール講師、ハイデルベルグ印刷機械の試運転&指導に従事。

メディア間の色再現の現状とカラーマネージメントの国際標準化

千葉大学 矢口博久 氏

講演内容:
インターネットの急速な普及により、異なる画像メディア間での色情報伝達、 色再現が重要な問題となっている。本講義では、異なるメディア間での色再現に 必要なカラーマネージメントの方法について、CIE色の見えモデル(CIECAM97s) を中心に、現在の国際標準化の動向を紹介する。
講師略歴:
1980年東京工業大学総合理工学研究科博士課程修了(工学博士)。 1982-86年カナダ国立研究所(NRC) Research Associate、1986年千葉大学助手、 助教授を経て、1995年より千葉大学工学部情報画像工学科教授。 視覚工学、色彩工学の教育研究に従事。日本照明委員会副会長、 日本色彩学会理事、CIE Division 8(画像技術)日本代表委員。