講師 | 同志社大学理工学部情報システムデザイン学科 教授 下原 勝憲 先生 |
演題 | 臨床性重視型のコミュニティ・システム・デザイン |
講演概要 |
地域コミュニティとは,住民同士(ヒト)が地域の施設など物理的な空間資源(モノ)と目に見えない制度や規則・地域の祭りなどイベント(コト)と共存しながら日常生活・社会・経済活動を営む場である.即ち,地域コミュニティは,ヒト・モノ・コトを要素とし,それら相互間の関係や連携・連動により機能するシステムである.一方,年齢,職業,家族構成,人間関係のみならず,目的やものの考え方,価値観が異なる多種多様な人々の集まりである地域コミュニティにおいては,技術集約的な仕組み以上に地域住民への内発的な動機付けが不可欠と考える. 人々の自発的な関与なしには成立しえないシステムとしての地域コミュニティを対象に,人々の利己的な行動が,他者との関係への気づきを喚起し,結果として利他的な効果を生ずる仕組みを通じて実世界での人々の行動変容を導く仕組みづくりに取り組んでいる.人々が日常的に生み出すヒト・モノ・コトとの関わりを定量化・可視化した概念である関係資産とその生成・循環・共有化のためのサイバー空間上の機構を基本とする.同時に,インセンティブ・デザインの観点から,個々人の固有性や状況の違いなど臨床性に注目・焦点化するともに,集団系としての公平性・互恵性を担保する仕組みづくりが必要と考えている. 本講演では,臨床性重視型のコミュニティ・システム・デザインの基本的な考え方や取り組みについて紹介する. |
日時 | 2022年3月14日(月) 13:30〜14:30(Zoom) |
講師略歴 | 九州大学大学院工学研究科情報工学専攻修士課程修了. 電信電話公社横須賀電気通信研究所,NTTコミュニケーション科学基礎研究所,国際電気通信基礎技術研究所(ATR)人間情報学研究所長・ネットワーク情報学研究所長等を経て,2006年より同志社大学工学部情報システムデザイン学科教授.2008年同志社大学理工学部情報システムデザイン学科教授・同大大学院理工学研究科情報工学専攻教授となり現在に至る. 関係論的システムデザイン,コミュニティ・システム・デザイン,社会情報学の研究に従事. 博士(工学)(九州大学). IEEE,SICE,HI学会,AI学会,信学会,電気学会等各会員. |
大阪大学 巽 啓司
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部門協議会担当
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