計測自動制御学会中部支部 第3回「制御理論ワーキングセミナー」 計測自動制御学会中部支部 第3回「制御理論ワーキングセミナー」
主催:計測自動制御学会中部支部
下記のとおり,セミナーを開催いたします.関心をおもちの方は,どなたでもご自由にご参加下さい.
日 時:2007年11月16日(金) 14:50〜17:00
会 場:名古屋工業大学 3号棟2階機械工学科大会議室
〔名古屋市昭和区御器所町,電話(052)735-5545〕
交 通:JR中央線または地下鉄鶴舞線鶴舞駅下車,東へ徒歩約10分 http://www.nitech.ac.jp/campus/b_placement.pdf
プログラム:
14:50〜15:50 離散値入力型制御における最適動的量子化器
講師:東 俊一君(京都大学)
概要:本発表では,離散値入力型の制御対象に対する動的量子化器の最適設計法を紹介する.ここで考える最適性は,制御対象の入出力特性と制御対象に動的量子化器が直列結合されたシステムの入出力特性を近くするという意味でのものであり,そのような最適動的量子化器が得られれば,これまでに積み重ねられてきた線形/非線形制御理論に基づいた離散値入力型制御論への道が拓かれる.発表では,最初に,動的量子化器の一般形を示した上で,動的量子化器の性能を制御対象と動的量子化器のパラメータの陽な関数として表す.そして,最適動的量子化器を導出し,動的量子化器の性能限界を明らかにする.最後に,本成果の拡張と応用例を紹介する.
16:00〜17:00 ハミルトン・ヤコビ方程式の解析的近似解法
講師:坂本 登君(名古屋大学)
概要:本講演では,非線形制御理論に現れる(定常型)ハミルトン・ヤコビ方程式の近似解法について,最近得られた成果を報告する.一つ目の解法は,制御対象が可積分である場合に有効な解法で,古典力学の摂動理論の応用である.これは,対象は限定されるが,制御入力がないときの解析解を用いることで,ハミルトン・ヤコビ方程式の解の概形を効果的に近似することができる.二つ目の解法は,安定多様体理論に基づく方法で,線形近似によってできるリッカチ方程式の解を初期値として,ある種の繰り返し計算を行うことで,解析的表現を保ったまま厳密解を近似する.この方法は,多項式程度の非線形系では,数値積分などを必要とせず,代数的操作によって計算が実行できるため,ソフトウェア化するのに向いていると考えられる.いずれの方法も,講演者らが過去に行った幾何学的ハミルトン・ヤコビ方程式の研究を土台とし,また,解を直接近似するのではなく,解の偏微分を近似するという特徴をもっている.本研究は,Groningen大学のA. J. van der Schaft教授との共同研究である.
問合せ先: 名古屋工業大学極微デバイス機能システム研究センター
山田 学/電話(052) 735-5545,FAX(052) 735-5546
E-mail : yamada.manabu@nitech.ac.jp