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第1号 [論 文]
■バッチ外乱適応舵減揺型オートパイロット
横河電子機器・松田真司,東京海洋大・大津皓平
横河電子機器・千種成友,小原裕喜
近年大洋を航海している船舶にはオートパイロットシステムが装備されている.オートパイロットのおもな目的は保針制御である.しかし,操舵をすることによって船首揺れと横揺れが起こることはよく知られている.バッチ外乱適応舵減揺型オートパイロットの目的は舵を適切に取ることによって船首揺れと横揺れを軽減させるとことである.本論文では基本的コンセプト,設計方法,実船実験結果について述べる.
本システムはつぎの2つの基本的な仮定をする.(1)船の動特性を表わす自己回帰係数は低次数に抑え,それらは既知,不変とする.(2)外乱項は白色性を仮定せず,局所的には定常と見なせる程度に変化する局所定常過程であるとする.このように仮定することによって外乱はバッチごとに基本モデルから得られた推定値と観測値の差から得ることができ,外乱項に対するモデルのあてはめは実時間制御に使うのでなるべくオンラインで行える方法を使用する.そのためモデルの同定には最少2乗法を使用し,モデルの最適次数は最少AIC(minimum
Akaike Information Criterion(H. Akaike (1974))法より得られる.その上,各バッチことにOzaki
& Tongにより提案された局所定常時系列に対するオンライン構造判断方法を適用することによって外乱の変化に適応できるシステムが得られる.(2002年6月公開)
[論 文]
■時空間型データフィールドアーキテクチャと情報制御システムの稼動中拡張
日立製作所・鮫嶋茂稔,河野克己,足達芳昭
東大・新 誠一
設備制御と情報処理を統合した情報制御システムは,システムを稼動させたまま段階的に構築や移行を行うことが1つの課題となっている.従来,オンラインテストやオンライン更新と呼ばれる方式が提案されているが,テストアプリケーションのデータを稼動中アプリケーションが処理したり,アプリケーションのインタフェースが変更された場合に整合性を保って更新を行ったりといった,シームレスな移行は十分考慮されていなかった.本論文では,システムは常に部分的に改造や更新が行われていく過程の中で稼動するもの捉え,各サブシステムがアプリケーションのデータ入出力インタフェースの情報を保持するアーキテクチャを提案する.ここでは構造化されたインタフェースの情報を,各サブシステムが構造化データフィールドと呼ぶ協調場を介して共有する.これに基づき,複製アプリケーションによるテストデータの処理,インタフェースの異なるアプリケーション間でのデータ項目の自律的なフィルタリング,アプリケーション間のインタフェースを介した依存関係の可視化,を行う手法を提案する.これらの手法はFAシステムに適用し、その有効性を検証した.(2002年6月公開) |
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