論文集抄録
〈Vol.39 No.3(2003年3月)〉
論 文 集 (定 価) (本体1,660円+税)
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タイトル一覧
[論 文]
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[論 文]
- ▲ ■ セルラニューラルネットワークおよびその異常診断への応用(出力関数の設計によるセルラニューラルネットワークの効率化)
岡山工技センター・章 忠,山梨英和大・灘波道弘 岡山県立大・川畑洋昭,金川明弘
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セルラーニューラルネットワーク(CNN)の設計において,連立多次元1次方程式の解を求めるのに,現在総ノルム最小基準で解を求める特異値分解法を採用するのが一般的である.この手法により設計されたCNNについて,平衡点の性質,また不完全想起の可能性および改善策などの研究が報告されているが,CNNの効率化についての検討はまだされていない.CNNの設計において,出力関数(飽和関数)はCNNの動作状態,安定平衡点の位置およびシステムの性能に及ぼす重要な関数である.本研究では,出力関数の設計により想起時間の短縮・想起能力の向上をさせるCNNの効率化について検討した.さらに,文字認識および肝臓病の診断に応用し,その有用性を確認した.得られたおもな結果:1)出力関数はCNNの平衡点の位置,動作効率および連想記憶能力に大きな影響を与える.CNNの動作効率から考えると,各出力関数に対して,CNNは最適な平衡点の位置Kが存在している.2)システムの動作効率および連想記憶能力を考慮して,簡単でなおかつ有効な2値または3値出力関数の設計方法を提案した.また,モデルパターンを用いて2値および3値出力関数を有するCNNを検証し,本手法の有効性を確認している.3)さらに,2値出力関数を有するCNNを文字認識に応用し,約15%の計算効率の改善が得られた.また,3値出力関数を有するCNNによる肝臓病の診断において,肝臓ガン,慢性肝炎および肝硬変の平均診断率が70%となり,従来の61%より大きく改善され,計算時間も約10%短縮されて,出力関数の重要性および本手法の有効性が示されている.
- ▲ ■ 多点同時測定LDVとCCDエリアイメージセンサを併用した2成分流速分布同時測定法の開発
岐阜大・古市紀之,富山商船高専・八賀正司, 慶応大・菱田公一,岐阜大・熊田雅弥
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測定線方向と垂直な方向の流速分布の時間変動を多点LDV法(点計測レーザドップラ流速計(LDV)を,多点を同時にLDV計測する線測定に拡張した計測方法)で計測すると同時に,粒子の飛跡をCCDセンサで高速撮影して測定線方向の流速分布の時間変動を計測することにより,2方向流速分布を同時に計測する新しい線測定の手法を新規に提案し,具体的な形で提供することを目的としている.CCDエリアイメージセンサをラインビニング動作させることにより,電荷蓄積時間が大幅に短くなり,CCDエリアイメージセンサは高速読み取りを繰り返し行うことが可能なラインセンサとなる.測定線上の粒子位置をCCDセンサで繰り返し撮影し,撮影されたCCDセンサ上の粒子の位置をMLDV法で特定することにより,撮影された粒子位置の移動量から2方向の流速分布の時間変動を求めることができる.CCDセンサを冷却することにより,微弱光の検出が可能となり,半導体レーザを多点ファイバLDV法とCCDセンサの同一の光源として用いることが可能となる.安価な半導体レーザや半導体光検出器と市販のパソコンとある程度のエレクトロニクス技術を用いて,高い自由度と経済性をめざした2方向流速分布の同時計測システムの開発を試みた.
- ▲ ■ ウィンドウサイズの適応的選択に基づく高信頼ステレオマッチングとVLSI化
東北大・張山昌論,竹内俊樹,亀山充隆
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ステレオビジョンでは,画像間の対応点を正確に求めることが重要となる.SAD(Sum
of Absolute Differences)演算に基づく対応点探索では,固定的にウィンドウサイズを設定すると,ウィンドウサイズが小さい場合にはあいまいさのために,ウィンドウサイズが大きい場合には画像間での投影歪みのために対応の信頼性が低下する.本稿では,画像に応じて適応的にウィンドウサイズを変化することによって信頼性の高い対応点を求める手法を提案する.はじめに,SADグラフの最小値のユニーク性を用いてウィンドウサイズを大きくしながら探索することによってあいまいさの存在しない最小のウィンドウサイズを選択肢し,大局的に対応点を求める.つぎに,ウィンドウサイズを小さくしながら局所的に対応結果を改善する.また,可変ウィンドウサイズアルゴリズムに適合したプロセッサアーキテクチャとして,並列度が一定である候補ウィンドウレベルの並列性を活用したウィンドウ並列ピクセル直列アーキテクチャを提案し,演算器稼働率を100%に保ったまま高並列な処理が行えることを示す.
- ▲ ■ Applications of the Eigenvalue Theorem on Approximate Optimizations of Nonlinear Regulators
Babcock-Hitachi・Teturo ITAMI
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非線形制御系をハミルトニアン演算子H^の固有関数を用いて最適化する方法において,固有値・固有関数とフィードバックの具体的な計算方法を示す.著者は線形波動方程式と,ハミルトニアン演算子H^のただ1つの固有関数を使った非線形最適フィードバックの近似法を提案してきた.本論文では設計定数HRを解析接続し,HR=iH^R,固有関数の空間境界条件を適合させる.アフィン非線形制御系の解析接続されたハミルトニアン演算子H~ ^ を算出する.その唯一の最小固有値に対応する固有関数によるフィードバック最適化アルゴリズムを与える.1入力・2状態のファン・デル・ポル型非線形系を例にとる.固有値・固有関数を計算するため,最も単純に三角関数を正規直交基底とし演算子H^を行列表現する.設計定数HR→0においてハミルトン・ヤコビ方程式の誤差→0を得る.すなわち本論文は,ハミルトニアン演算子H^の固有値解析法を具体的に与え,最小固有値の固有関数による非線形最適フィードバック制御の有効性を示すものである.
- ▲ ■ 多目的l1制御における双対問題
阪大・国武 隆,太田快人
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l1制御ではl∞信号の入出力ゲインであるインパルス応答のl1ノルムを最小化することで,未知の有界な持続外乱が入力されたときの最悪出力の振幅を最小化することができる.本稿では制御仕様として周波数応答制約と時間応答制約がある多目的l1制御問題を考える.これはいずれも重要な制約でありピークゲインやバンド幅あるいは立ち上がり時間やオーバーシュートといった仕様が扱える.多目的l1制御問題の解法として,凸最適化問題や二次計画問題に定式化する手法もあるが,ここでは閉ループ伝達特性に関して線形な制約で表わされる制御仕様の付加が容易で多くの問題に対して統一的な表現ができる線形計画問題に定式化する手法について考える.周波数応答制約がある問題は従来の標準l1制御のときのように単に変数を打ち切るだけでは任意精度で近似できないクラスである.今までの研究においてこの問題が双対問題の求めようとしている変数を適切に制限することで任意精度で近似できることが示されているが本研究では,これに時間応答制約も同時に考慮する問題に対して,時間応答制約の定式化に工夫をすることで同様の方法で任意精度での近似解を求めることが可能であることを示す.
- ▲ ■ 熱伝達を考慮したガスパイプラインのモデル化
東工大・吉田 真,東京ガス・川東孝至, 東京電機大・藤田壽憲,東工大・川嶋健嗣,香川利春
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本論文は気体の管内流れについて気体と管路壁面の熱伝達を考慮することにより,伝達関数行列形式の管路モデルを導出したものである.一般的な形式の基礎式を用いてモデルを導出し,熱伝達係数による周波数特性の変化について明確な形で示している.また,大きいレイノルズ数をもつ管内流れの周波数特性を実験によって求め,提案するモデルの計算結果が従来のモデルよりも実験値と良い一致を示すことを確かめた.ガスパイプラインにおける不安定現象を予測する上では共振周波数が重要になるが,本論文で提案する管路モデルを用いることにより事前に管路特性を予測することが可能になるため,ガスパイプラインとガス整圧器からなるシステムの安定性を予測することが可能になると考えられる.
- ▲ ■ 操作量の微分値を考慮したPIDコントローラの調整
茨城大・小澤圭介,豊橋技科大・野田善之, 都立高専・山崎敬則,山武ビル・神村一幸, 小山高専・黒須 茂
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本論文では,プラントの伝達関数を1次おくれ+むだ時間系として,最適化手法によりPIDコントローラの調整値を探索している.制御性能の主眼は外乱抑制におき,目標値追従に対してオーバーシュートを少なくするために,制御方式はI-PD方式を採用している.評価関数には,従来からの誤差自乗積分(ISE)では応答が振動的になるので,時間自乗重み付き誤差自乗積分(ISTE)を導入し,さらに操作量の微分値自乗積分(ISTC)に重み係数をかけた項を付加している.この狙いは,速やかな減衰特性をもち,操作量が急激な変化をしないような応答を期待している点である.
最適化手法によって求められたPIDパラメータ値をシミュレーションならびに空調における実用プラントに適用した結果,つぎのことを明らかにしている.
1) 時間自乗重み付き誤差自乗積分と操作量の微分自乗積分を指標とした最適化手法では,まったくD動作は貢献しない.
2) 部分的モデルマッチング法においてI-PD方式で調整し,D動作を強制的に0とした簡易調整法は最適化手法のPIパラメータ値に酷似している.
3) 最適化手法によって求められたPIパラメータ値は,基準化したむだ時間に対してプラントの特性変動分28〜40%程度まで安定性を保証している.
4) 実測データの結果より,プラントの特性変動がある程度存在しても,最適化手法は有用であることを明らかにしている.
- ▲ ■ 強化学習による自律型アームロボットの協調行動獲得
東大・山田和明,神戸大・大倉和博,上田完次
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マルチエージェント環境では,複数のエージェントが互いに影響を及ぼしあい複雑なダイナミクスが生じるため,設計者があらかじめ各エージェントに適切な政策を組み込むことは難しい.そこで本論文では,自律エージェントの意思決定機構として,状態・行動空間の離散化を学習過程で自律的に行う新しい強化学習法Bayesian-discrimination-function-based Reinforcement Learning(BRL)を提案し,学習による協調行動の獲得を目指す.
BRLを適用するマルチエージェント問題として,均質な形体,機能をもつ2台のアームロボットによる「協調荷上げ問題」を提案する.この問題では,各ロボットを非同期・非通信で制御し,所定の高さまで物体を水平に持ち上げることを目的とするため,各ロボットは協調行動を学習する必要がある.
本論文では,実機による協調行動獲得実験を通して,ロボット同士の相互作用により状態・行動空間の離散化を学習過程で自律的に行うことで,各ロボットの意思決定機構に違いが生じ,この違いが協調行動獲得に有効なことを学習過程の解析を通して示す.また,look-up table型のQ-learningとの比較実験を通して提案手法の有効性を検証する.
- ▲ ■ Development of GPS Aided Inertial Navigation System for High Speed Flight Demonstrator
NAL・Masatoshi HARIGAE, Hiroshi TOMITA, NASDA・Takeshi NISHIZAWA
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本論文は,NAL/NASDA共同開発の高速飛行実証機に搭載する航法システムとして新たに開発したGPS補強型慣性航法システムについて述べたものである.本システムの特長はGPS搬送波位相を使うCDGPS/INS複合航法アルゴリズムを採用したことにある.その結果,GPS信号の受信環境が悪化する高ダイナミクス下でも,精密進入着陸に要求される航法精度と完全性,連続性を維持することが可能となった.上記の特長を明らかにするため,本論文では共分散解析を用いた数値解析手法を新たに提案し,世界的にいまだ確立されていない複合航法の性能評価を実施した.本手法によれば,測位精度だけでなく完全性,連続性が解析的に評価できる.また,フライトモデルを製作し,飛行実験および地上実験で理論通りの性能が得られることも確認した.本システムは,既存のGPS複合航法装置のなかでは最高の性能をもつものである.その高い精度と信頼性は,高速飛行実証機だけでなく,有人輸送機の航法とくに進入着陸航法に有用であり,空港周辺における飛行安全の確保,運航効率の向上に資するものとして期待できる.
- ▲ ■ 定性的物理因果レベルのインタラクションに注目した人工物合成支援
京都大・川上浩司,松下電器・入江英二, 中国職能開大・小西忠孝,京都大・片井 修
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構造的実現方法を特定せずに定性的な機能と物理因果関係の記述に対する情報処理によって,新奇な仕組みを案出することが要求される設計段階の計算機支援について検討する.このような設計段階には確固たる方法論は存在せず,個々の開発者による独自の工夫がなされている.その中で多用されるのは,優れた既存設計物を想起して直面する問題にあてはめる方法である.この場合,人の設計者はいきおい具体構造までも想起してしまい,いわゆる心的惰性が生じる.これに対して本稿では,以下の方針で対処する.まず,物理システムの機能実現方法の一側面を,われわれが物理因果連鎖網と呼ぶ,目的論的意味を捨象した物理量の伝達や変換の因果関係によって表現し,構造情報は最も抽象的なレベルに留める.さらに,このレベルでの異なる物理システム間のインタラクションに注目した計算機処理によって,設計解候補を生成する.物理因果連鎖網には簡便なネットワーク構造が与えられているため,複数のネットワークをマージする手続きを定義することができる.その結果は,構造ではなくそれを規定する深層情報のインタラクションに注目した人工物合成となっており,表層的構造の付加や変更だけでは実現できない設計案が生成される.
- ▲ ■ 共進化型遺伝的プログラミングを用いた特徴抽出
神戸大・加藤大典,小谷 学
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本論文ではパターン認識における分類正解率を向上させるために,新たな特徴を抽出する方法の提案を目的としている.抽出される特徴は入力情報の多項式から構成されると仮定して,この関数を共進化型遺伝的プログラミングにより探索することを試みた.ここでは,新たに個体間の競争に基づく相対的な適応度に多項式の項数に関するペナルティ項を導入した.提案する方法の有効性を評価するために,識別方法としてK Nearest Neighbor法を用いて,抽出された特徴による分類正解率を算出した.標準データベースに適用したところ,共進化を用いない遺伝的プログラミング手法などと比べて,分類正解率が向上した.また,多項式の項数に関するペナルティ項により,分類正解率を低下させることなく,項数を減少できるという結果が得られた.
[ショート・ペーパー]
- ▲ ■ 2入力系−90°位相軌跡法による最適レギュレータの位相余裕の改善
三菱重工業・片柳亮二
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最適レギュレータによる状態フィードバック制御系は,良好な安定性を有することが知られており,多入力多出力制御系設計において初期設計段階での制御系構造を検討するのに有効である.
一方,多入力飛行制御系の安定余裕については十分議論されることが少ないが,本論文ではすべての入力端においてゲインと位相が同時に変動した場合の安定余裕として定義して,“−1/ξ軌跡”(多入力系の一巡伝達関数に相当するベクトル軌跡)という概念を用いて評価する.
そして,この−1/ξの位相が−90°となる“−90°位相軌跡”を定義する.これが虚軸を横切るときその周波数において一巡伝達関数の位相が90°遅れることを利用して,S→∞での漸近線の実軸との交点を零にすることにより位相遅れを改善する.具体的には,最適レギュレータのフィードバックゲインを初期値にして,シュミットの直交化法を用いて簡単な計算によりフィードバックゲインを求めることができる.得られた制御系は十分な安定性をもつことから,制御系の中に大きな遅れを伴う場合などに特に有効である.
- ▲ ■ 入力制限付き非線形システムに対しハミルトニアンとGAを用いた拡大次元自動抽出制御の設計
熊本電波高専・縄田俊則,鹿児島大・高田 等
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制御対象となる実システムでは,制御入力や制御対象の状態に制限があり,これらを考慮せずに設計した制御器を使用すると,Windup現象と呼ばれる制御性能の劣化が生じる場合がある.そこで各種制限を考慮した制御系設計が不可欠であり,入力制限を考慮した実用的な制御系設計法であるAnti-windup設計法などの研究が行われている.
本稿では,入力制限付き非線形システムに対し,非線形性の強いシステムに有効な制御法である拡大次元自動抽出制御法を適用した,いわゆる入力制限付き拡大次元自動抽出制御の設計法を考察した.
拡大次元自動抽出制御法は,自動抽出制御則合成時におけるテーラー展開定数項に安定なゼロダイナミクス変数を乗じ拡大次元変数とみなす.これにより定数項のない拡大次元システムを構成し,自動抽出制御理論を適用して制御則を合成する手法である.
拡大次元自動抽出制御則に含まれる各種パラメータは,遺伝的アルゴリズム(GA)を利用して,入力制限を考慮しながら,ハミルトニアン関数を最適にするよう求められる.
最後に,一機無限大母線系統の電力系統過渡安定化問題に本手法を適用し,数値実験でその有効性を確かめた.
- ▲ ■ 参照入力を一般化したILQサーボ系に対する2次安定化
阪大・國松禎明,藤井隆雄,福岡工大・辻野太郎
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本論文では,2次安定化の逆問題に基づくロバストサーボ系設計法(ロバストILQ設計法)に関して,従来ステップ参照入力の場合にのみ得られていた2次安定化条件を,一般の参照入力の場合に拡張し,従来よりも明確な十分条件として導出した.その際,行列不等式表現に基づく見通しの良い方法を用いたことで,新たに,2次安定性を保証する設計パラメータΣの下限値Σを求める具体的な計算方法も得た.その結果,任意のΣ>Σで2次安定性が保証され,従来2次安定性の保証に必要だったΣに関する探索を不要にした.それにより,アルゴリズムの簡素化を図るとともに,ロバストILQ設計法の実用性を高めた.
- ▲ ■ 遺伝的アルゴリズムにおける遺伝子型の多様性維持に関する検討
大分大・伊藤 稔,杉坂政典
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遺伝的アルゴリズムにおいて個体集団の多様性維持は重要な課題である.これまでさまざまな多様性維持の手法が提案されている.本論文では,多様性維持に優れた個体の選択法として,佐藤らの提案するMGGにおいて,その生存選択に個体間の相関を導入したエリート相関選択法を提案する.提案手法を代表的なベンチマーク問題に適用し性能評価を行った.その結果,提案手法が従来法と比較し優れた性能をもつことを確認した.
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