「横断型の研究推進を」
(2002年1月8日付け日刊工業新聞)
「横断型の研究推進を」
   12学会総合科技会議に提言

計測自動制御学会、システム制御情報学会、精密工学会、日本ロボット学会など十二学会は、横断型思考に基づく科学技術研究推進の重要性をアピールする「わが国の科学技術政策に関する提言」をまとめ、総合科学技術会議に提出した。

機械工学、電気工学、化学工学など従来からあるいわゆる「垂直型」の学問分野に対し、最近は制御科学、システム科学、モデル科学など「横断型」分野が生まれている。自動車一つとっても、機械工学だけでは完成せず、エンジンの燃料を調節する制御装置など横断型分野の研究が欠かせない。

今回の提言には四学会のほか、日本ファジィ学会、ヒューマンインターフェース学会、日本バーチャルリアリティ学会、人工知能学会、スケジューリング学会、日本植物工場学会、日本オペレーションズリサーチ学会、日本リモートセンシング学会が賛同した。

円熟してきた技術を融合させる横断型の研究開発の重要性を訴え、具体的には(1)科学技術政策の立案や実施などに横断型科学技術の専門家を参画させる(2)大学などに対する研究費の配分方法を垂直型と横断型の二次元構造とする(3)横断型科学技術の戦略的推進と研究を行う「新システム総合研究センター」の設置−を求めた。