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[SICE]

SICEセミナー「ロバスト制御入門」


主催・企画
計測自動制御学会 制御部門
協賛
システム制御情報学会,人工知能学会,精密工学会,電気学会,電子情報通信学会,日本応用数理学会,日本機械学会,日本航空宇宙学会,日本鉄鋼協会,日本ファジィ学会,日本フルードパワーシステム学会,日本ロボット学会,土木学会,プロセス計装制御技術協会(依頼中)

 現実の制御系設計では「理論」と「実際」とのギャップに悩むことがしばしばです.ロバスト制御はこのギャップを埋めることを目指した設計法であり,不確かなモデルを扱う方法,構造的な変動を扱う方法,複数の設計仕様を扱う方法,非線形な対象を扱う方法など,実用的な問題を解決するための数々の強力な方法を含んでいます.しかし,その一方でロバスト制御は,考え方が独特である上に,ある程度理論を理解しないと効果的な使い方ができないので,なかなかとっつきにくいと思われることも多いようです.
 本セミナーではこのロバスト制御について,その考え方,使い方から,LMI,IQCなどの最新の話題まで,わかりやすく,かつ幅広く講義していただきます.特に,今のような理論ができた経緯や動機,形式的に理論を眺めているだけではつまずきそうな箇所を丁寧に説明することで,受講者の方が上手なロバスト制御の使い方をマスターできるよう配慮します.実際にロバスト制御を使ってみようと思っている方,ロバスト制御を勉強したいと思っている方には絶好のチャンスです.ぜひ多くの方が参加されますようお願い申し上げます.
[制御部門事業委員会
静岡大学 片山仁志,慶應義塾大学 大森浩充]
期  日
2002年7月10日(水),11日(木)
会  場
慶應義塾大学日吉キャンパス 日吉新研究棟(仮称) シンポジウムスペース〔神奈川県横浜市港北区日吉4-1-1,電話(045)563-1111〕
講  師
原 辰次君(東京大学),藤田政之君(金沢大学),藤岡久也君(京都大学)
講義内容:
第1日目 7月10日(水)
「ロバスト制御系設計の基礎」   東京大学 原 辰次君
 まず,モデルの不確かさへの対応を目的としたロバスト制御系設計について,その基本的な考え方や概念を数式を用いずに説明する.つぎに,古典制御理論や現代制御理論に基づく設計法とロバスト制御系設計との違いを,混合感度問題を例にとり説明し,H∞制御系設計の位置付けを明らかにする.
9:30〜10:45 ロバスト制御系設計とは
11:00〜12:30 ロバスト制御系設計の基本的な考え方
「ロバスト制御系設計法
H∞制御からLMIへ」
  東京大学 原 辰次君
 前半では,多くのロバスト制御系設計問題を統一的に扱うことができるH∞制御の一般的な問題設定について述べた後,状態空間表現に基づいたH∞制御問題の解法を紹介する.後半では,より実用的な問題を取り扱うことができる線形行列不等式(LMI)に基づくロバスト制御系設計法について説明する.
13:30〜15:15 H∞制御の問題設定と解法
15:30〜17:00 LMIロバスト制御系設計法
第2日目 7月11日(木)
「μ−解析・シンセシスの基礎と応用」  金沢大学 藤田政之君
 まず,具体的な例題を通して構造的な不確かさの記述について考え,不確かなシステムのLFT表現について理解を深める.つぎに,一見難解に見える構造化特異値μの意味が,実は不確かなシステムのロバスト性解析のために自然なものであることを説明する.そして,ロバスト性能を実現する制御系設計法としてμ−シンセシスを紹介し,実際に役立つように豊富な例を題材にしてD-Kイテレーションをわかりやすく解説する.
9:30〜11:00 不確かなシステムのLFT表現とμ−解析
11:10〜12:40 ロバスト性能とμ−シンセシス:入門と実際
「IQCにもとづく非線形・時変システムの安定解析」
   京都大学 藤岡久也君
 IQCはシステムを記述するための道具である.IQCはそれを用いた非線形・時変要素を含むフィードバック系の統一的な安定判別条件が示されたため注目されている.ここまでの講義で述べられたH∞制御,LMI,μとのつながりに注意しながらIQCを用いた非線形・時変システムの安定性解析について説明し,線形ロバスト制御理論の自然な拡張となっていることを示す.
13:40〜15:20 システムのIQC表現と安定性解析
15:30〜16:50 非線形・時変システムのロバスト制御
定  員
60人(定員になり次第締切らせていただきます)
参加費(テキスト代・消費税込み):
1日のみ 会員15,000円,学生5,000円,会員外20,000円
両日参加 会員30,000円,学生10,000円,会員外40,000円
参加申込方法: 学会ホームページのオンライン申込からお願いいたします.参加申込ページ URL:http://www.sice.or.jp/bukai_web_appli/
支払方法: 事務処理の都合により,会場での現金の授受は原則として行わないようにしておりますので,お手数ですが参加費のご送金をお願いいたします.送金方法につきましては以下の通りですので,ご都合に合わせてお選びください.なお,ご送金後のキャンセルに関しましては,原則としてご返金いたしませんので,あらかじめご了承くださいますようお願いいたします.
     (1) 現金書留にて別送.
     (2) 銀行振込先「みずほ銀行本郷支店 普通預金 1967063 名義 (社)計測自動制御学会」
     *ご送金完了の旨を事務局までE-mail(bumon@sice.or.jp)またはFAXにて,ご連絡ください.
     (3) 郵便振替先「口座番号00130-7-581382 加入者名(社)計測自動制御学会」
     *通信欄へ「ロバスト制御入門セミナー参加費」とご記入ください.
     (4) 請求書送付希望(内容等についてご指定がある場合は申込書にメモを添えてください)
     *請求書・領収書につきましては,ご希望がない限りお送りしておりません.必要な場合は申込時にご指示ください.
事 務 局
〒113-0033 東京都文京区本郷1-35-28-303
     (社)計測自動制御学会 部門担当
     電話(03)3814-4121,FAX(03)3814-4699
     E-mail: bumon@sice.or.jp
問合せ先
大森浩充
     〒223-8522 神奈川県横浜市港北区日吉3-14-1
     慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科
     電話(045)563-1151-48041, FAX(045)566-1720
     E-mail:ohm@sd.keio.ac.jp


本セミナーは,土木学会CPDプログラムとして認定されています.



□講師紹介

はら しんじ
原  辰次 君 (正会員)
 1976年東京工業大学大学院修士課程修了.日本電信電話公社,長岡技術科学大学を経て,84年東京工業大学制御工学科助教授.92年同大学システム科学専攻教授,2002年東京大学システム情報学専攻教授.87,91,97,98年度本会論文賞受賞,90年同学会著述賞受賞.92年同学会論文集創立30周年記念号表彰論文受賞.ロバスト制御,ディジタル制御に関する研究に従事.システム制御情報学会,IEEEなどの会員(工学博士).

ふじた まさゆき
藤田 政之 君 (正会員)
 1984年早稲田大学大学院博士前期課程修了.85年同後期課程中退.同年金沢大学助手,講師,助教授を経て,92年北陸先端科学技術大学院大学助教授.99年金沢大学教授.ロバスト制御に関する研究に従事(工学博士).

ふじおか ひさや
藤岡 久也 君 (正会員)
 1967年5月3日生,95年東京工業大学大学院理工学研究科制御工学専攻終了.同年大阪大学工学部助手.98年京都大学情報学研究科助教授となり現在に至る.システム制御情報学会,IEEEの会員.博士(工学).

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