2015年度
第5回知能工学部会研究会「賢さの先端研究会」
第53回システム工学部会研究会
開催のご案内

いきものに学ぶ知能化技術

計測自動制御学会 情報・システム部門 知能工学部会とシステム工学部会では, 知能化技術の重点課題と,その最新アプローチに関する情報交換,共有を目的とした研究会を下記の通り開催いたします. つきましては,みなさまへのご案内と共にご参加をお待ちしております.

日時・場所

  • 日時:2015年7月8日(水)13:30〜16:30
  • 場所:近畿大学 東京センター(アクセス

プログラム

  • 13:30-13:35 開会のあいさつ (知能工学部会 主査 鈴木 秀明)
  • 13:35-14:30 話題提供者:情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター
    • 篠崎 隆志 先生 (WEB)
    • 題目:ヒトのように学ぶディープラーニングの新しい学習法
    • ディープラーニングとは脳の仕組みを模した多層ニューラルネットワークにおける機械学習の仕組みである.近年の計算機の進化との相性が良いこともあり,画像認識や音声認識などで従来法を大きく上回る性能を示している.ディープラーニングの多くは古典的な逆誤差伝播法を用いており,超大規模化が困難という問題があった.これに対して,私たちは先行伝播法という全く新しい学習法を提案した.手本を見せることによって正解を学習するというヒトの振る舞いにも似たこの学習法は,超大規模化にも適した特性も備える.発表では本手法を画像認識や音声認識に適用した結果およびに将来展望について報告する.

  • 14:30-15:30 話題提供者:防衛大学校 電気情報学群 情報工学科
    • 白川 智弘 先生 (WEB)
    • 題目:単細胞生物の知性
    • 真性粘菌変形体は単細胞多核の巨大アメーバである.近年の研究により,変形体はある種の計算能力を有することが示されてきた.それにより,変形体は計算を行う細胞として,また,最もプリミティブな知性のモデルとして注目を集めている.しかしながら,多くの研究は変形体の計算能力に関する工学的応用を主とするものであり,粘菌は本当に知性を持つと言えるのか,それはどの程度のものかといった問いへの取り組みは少ない.このような問いに答えるため,我々は変形体の探索行動及び学習行動を観察した.それにより,変形体は限定的ながらも可塑性を有し,変形体には適応的な知性が存在することを示唆する結果を得た.

  • 15:30-16:30 話題提供者:理化学研究所 脳科学総合研究センター 理論統合脳科学研究チーム
    • 中原 裕之 先生 (WEB)
    • 題目:社会知性の脳計算 ―他者のこころのシミュレーション学習―
    • 日常生活の大半は社会行動で,その根幹には,人々が互いの心やふるまいを推断するときに働かせる社会知性がある.この他者の行動を予測し,その予測を踏まえた意思決定をする脳機能は,しばしば「心の理論」と呼ばれ,諸科学からの関心が高い.しかし,その脳計算の解明は驚くほどに進んでいない.そこで,私たちは,強化学習に基づく計算理論を ヒトfMRI実験と組み合わせ,他者の行動予測をする脳計算モデルを構築し,実際の脳活動と行動データを定量的かつ数理的に検証した.それにより,ヒトの「心のシミュレーション学習」の脳計算を明らかにした.時間が許せば,最新の研究や将来展望も合わせて報告したい.

参加に関する情報

  • 参加費:無料
  • 参加資格:制限なし
  • 問い合せ先:システム工学部会
    • 防衛大学校 情報工学科 佐藤 浩 hsato@nda.ac.jp

更新履歴

  • 2015/05/13 プログラム,話題提供者ホームページ,問い合せ先を更新しました.
  • 2015/05/12 サブタイトル,プログラム,問い合せ先を更新しました.
  • 2015/05/07 ページを公開しました.