第40回日本リモートセンシング学会学術講演会におけるSICE-RSSJ共同セッションのご案内 |
2006.4.22 更新
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SICE-RSSJ共同セッション:「月・惑星リモートセンシングの新展開」(オーガナイザー:鈴木睦,五十嵐保,宮崎忠國) |
リモートセンシング技術は,1957年の国際地球観測年(IGY)以来地球軌道を周回する人工衛星からの地球観測の歴史とともにセンサ技術は高度化し,観測データの処理・解析技術,データ利用の科学においてもこの50年の間に急速な進歩を遂げてきました.歴史的に見れば天体観測はガリレオの望遠鏡の時代に遡り,初期のリモートセンシングは,アップサイド・ダウン・アストロノミーと言われるように,天文観測から多くを学んできました.しかし今日の月惑星探査には,地球観測センサとの共通の技術があり,観測対象が異なるものの技術の面から共有し交流を図るべきものが多々あるように思われます.
最近の「はやぶさ」の成功,米大統領ブッシュの宇宙政策による火星探査への重点化,過去の火星での生命存在の許容条件の可能性など,政策および工学・理学の各面から,惑星探査,特に着陸・ローバー・サンプルリターンへの期待が高まっています.この様な旧NASDAにおける,月面探査・火星探査(そして小惑星探査)への熱意には驚かせられるものがあります.しかし,惑星探査の実現には,資金的にも人材的にも旧ISASの宇宙理工学の枠組みを超えたものが要求されており,そのことは太陽系探査が,JAXA長期ビジョンにおいて,宇宙科学と別扱いで重点項目とされていることからも明らかです. 来年夏の打上げを目指す月周回衛星SELENE,昨今話題となった「はやぶさ」の観測機器は,超高層大気物理から発展してきたこれまでの宇宙研(ISAS)のミッション機器と少し系統が異なっています.このことは,マース・グローバル・サーベイヤー(レーザ高度計搭載探査機)やマゼラン(合成開口レーダ搭載探査機)を見ると更に顕著であり,地球観測衛星で旧NASDAが開発してきたようなセンサが惑星探査の主力となっています. この様な状況は,SELENEの近赤外マルチバンドイメージャなどが,工学部・地球観測系の研究者が代表研究者(PI)を占めているにも関わらず,地球観測系の学会でも地球電磁気・地球惑星圏学会(SGEPSS)等でもあまり良く認識されていません. そこで,今後の惑星探査の発展・15年程度のタイムスケールでの実施を考えて,学会横断的な企画を継続的に行ってみたいと考えています.今回は工学部系の学会である,日本リモートセンシング学会と計測自動制御学会・リモートセンシング部会の共同開催において開催企画を考えております.領域を超えて関心のある方の参加をお願いします. 本セッションは,(社)計測自動制御学会計測部門リモートセンシング部会と(社)日本リモートセンシング学会の共同セッションとして企画され,下記の要領で開催いたします第40回日本リモートセンシング学会(平成18年度春季)学術講演会の2日目,5月19日(金)に行ないます.会員各位の参加をお願いいたします. |
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