論文集抄録
〈Vol.47 No.5(2011年5月)〉
論 文 集 (定 価) (本体1,660円+税)
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タイトル一覧
[論 文]
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■ 高速ビジョンとマイクロ流路を用いた実時間赤血球硬さ評価
大阪大学・廣瀬優紀,福井航,東森充,多田隈建二郎,金子真,新井健生,坂田泰史,山本一博,名古屋大学・川原知洋,JSTさきがけ 名古屋大学・山西陽子,名古屋大学・新井史人
赤血球の硬さをマイクロ流路を用いて評価する研究は,大きくオフライン計測とオンライン計測に分類できる.前者は高速カメラにより取得された映像データをいったんメモリに保存し,その後解析を行うために単一の赤血球の解析に分オーダの処理時間を要してしまう.一方,オンライン計測の例として赤血球通過時の電気抵抗変化に着目したセルカウンター方式が提案されているものの,この方式の最大の欠点はマイクロ流路内で実際に何が起こっているかわからない点である.したがって出力値の信頼性を評価することができない.この点を踏まえ,本論文では,データログ機能付きの高速ビジョンを用いることにより,出力値と真値を比較し,結果的に計測データの信頼性まで評価できる実時間赤血球硬さ評価システムを提案している.またマイクロ流路内の赤血球の状態を確認するためのTwo-gate-monitorとCell-state-checkerを導入し,赤血球の硬さ評価を5msec/cellかつ成功率92%を達成している.さらに赤血球の硬さ評価マップを提案し,被験者間の赤血球の硬さの相対評価法についても論じている.
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■ 非線形放物型偏微分方程式のモデル予測制御
大阪大学・橋本智昭,吉岡佑輔,大塚敏之
本稿では,非線形放物型偏微分方程式で記述されるシステムに対して,モデル予測制御系設計法を提案している.まず,評価関数を適切に与えることにより偏微分方程式系のモデル予測制御問題の定式化を行い,変分法及び部分積分を有効活用することにより,停留条件と呼ばれる評価関数が最小となるための必要条件を解析的に導出している.次に,その停留条件の差分化を行うことにより,既存の数値解法が適用可能であることを示している.さらに,本稿で導出された停留条件が未知パラメータに関してある特定の構造をもっていることに着目して,ある限定されたクラスの最適化問題に対して適用可能な,既存の数値解法より効率的な新しい数値解法を提案し,その有効性を示している.
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■ 非ホロノミック移動ロボットの画像に基づくロバストな任意曲線追従制御
神戸大学・倉鋪圭太,深尾隆則
本論文では,カメラを備えた非ホロノミック移動ロボットに対し,Image-based
制御による制御系設計を行う.Image-based 制御は画像からロボットの位置・姿勢を求めることなくロボットを制御する手法であり,一般にカメラなどのパラメータの不確かさに対するロバスト性に優れると言われている.
本論文では著者らが以前提案した手法を任意曲線に拡張し,二つの制御則を導く.特に,逆最適制御による制御則は理論的にロバスト性が保証されるとともに,実験的にも望ましい結果が得られた.
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■ アクティブ制振装置による橋梁主塔架設時の制振制御
川崎重工・加賀谷 博昭,川重テクノロジー・玉木利裕,西 義和,
川崎重工・長尾陽一,本州四国連絡高速道路・山口和範
土木構造物は近年,構造材料の高強度化,設計・施工技術の進歩および社会的要求等に伴って大型化・軽量化する傾向にあり,このため振動特性の面からみると,固有振動数が低くかつ減衰性も小さくなり,種々の振動問題が生じ易くなっている.土木構造物の代表格である橋梁分野においては,その主塔架設段階で特定の風向,風速域に応じて渦励振が発生し,主塔構造強度や架設機材・架設作業安全性などの面から何らかの対策が必要となっている.筆者らは橋梁主塔架設時の制振対策を目的として,アクティブ機構のみを用いた新しい制振装置システムの開発を行った.本稿では,この制振装置の概要および主塔構造物モデルに基づくH∞ロバスト制御系設計方法を示し,来島海峡第一大橋3P主塔の実橋梁主塔架設工事への適用結果を示す.
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